言葉にできない「本音」の壁
恋人、家族、友人…。大切な人たちに、自分の本当の気持ちを言葉で伝えるのは、意外と難しいものです。「何をどう言えばいいのか分からない」「気持ちを口にするのが恥ずかしい」と感じた経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。
現代は、ブログやSNSで自分の考えを世界中に発信できる時代です。しかし、どれだけツールが増えても、特に感情的な機微を伝える場面では、「自分の気持ちをうまく表現できない」と感じる人は少なくありません。
俳句という「さりげない表現ツール」
そんな時、俳句は自分の気持ちを表現するための、優しく、そして強力なツールとなります。
俳句は、わずか五・七・五の17音で成り立つ短い詩です。この限られた文字数だからこそ、伝えたい感情や思いを凝縮して表現することができます。直接的な表現を避け、言葉の裏側に感情をそっと隠すこともできるため、普段は本音を言うのが苦手な人でも、自然に、そしてさりげなく心の中の思いを伝えることができるのです。
毎年200万以上の作品が寄せられる「おーいお茶」の俳句大会を見ても、恋人や家族への想いなど、日常の中で感じた様々な感情が込められた句がたくさんあります。「直接言うのは難しいけれど、俳句になら表現できる」――そう感じて俳句を詠む人も多く、たった17音という簡潔さが、かえって深い共感を生む魅力となっています。
気持ちを言葉にするのが苦手な人こそ、俳句はおすすめです。五七五のリズムにのせて、自分の思いをシンプルに表現してみてください。俳句を通して、普段は伝えられない本当の気持ちを、自然と表現できるかもしれません。

