「風薫る」と子季語の意味

季語と子季語のそれぞれの意味

俳句を詠む際、季語の選び方に迷ったことはありませんか?歳時記には主季語は詳しく書かれていても、子季語の意味が曖昧で困ることも。このページでは、子季語の意味もしっかり解説しているので、初心者の方でも安心して俳句作りに挑戦できます。

風薫るの季語

下の表では、一番上の「風薫る」が主季語、その下に並んでいるものが子季語になります。
子季語は、主季語の関連語、という考えで大丈夫です。


《 夏 》

風薫る(かぜかおる)青葉の季節に、青々と茂った樹木の間を風が吹き抜けていくさま。
薫風(くんぷう)若葉や青葉の中を抜けてゆく、穏やかな初夏の風。
薫る風(かおるかぜ)薫風の別称。
風の香(かぜのか)薫風の別称。
南薫(なんくん)夏の南風。



風薫るについて

「風薫る」の季語は、ほかに「薫風」「薫る風」「風の香」「南薫」といった関連季語があります。
これらの言葉は、それぞれ微妙にニュアンスが異なります。

「風薫る」は、薫るという言葉が強調されています。
「薫る風」は、逆に風が強調されています。
「薫風」は、「薫る風」を名詞にしたもので、より簡潔で、締まった印象を与えます。

ちなみに、「香り」と「薫る」は違います。
「薫る」は「初夏の薫り」「月の薫り」というように、少し比喩的な表現になります。
ですので、実際の青葉の香りを運ぶ風ではなく、青々と茂った樹木の間を風が吹き抜ける風、という意味が強い季語です。


「風薫る」関連の俳句

「風薫る」関連の俳句にはこのようなものがあります。俳句作りの参考になさってください。

「風薫る」の例句

一人とは端山ゆ風の薫るとも 千原叡子 - 
写生子の向きそれぞれに風薫る 松崎早智子 - 
利根川に添いし宿場や風薫る 松本夜誌夫 - 
声明のほぐるる古刹風薫る 田中あき子田中あき子の句集(Amazon) >>


「薫風」の例句

薫風やメロンパン買う列につき 本杉康寿 - 
薫風や午のワインに少し酔い 丸田和子 - 
薫風や城より一里松は塚 島田菊美 - 
薫風や来し方行く手祥気満ち ながさく清江ながさく清江の句集(Amazon) >>


「風の香」の例句

擦れ違ふ人の風の香紅葉渓 中村圭作中村圭作の句集(Amazon) >>
炎天に山風の香や吉野口 桂信子桂信子の句集(Amazon) >>




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季語を選ぶ際には、様々な要素を考慮する必要がありますが、従来の歳時記には子季語の意味が詳しく記載されていないため、適切な季語を選ぶのが難しいという課題がありました。

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