季語の中には、子季語として歳時記に掲載されているものもありますが、その意味が詳しく説明されていない場合もあります。子季語の意味を知ることで、より良い俳句を作ることができるので、今回はよく使われる主季語と子季語の意味をまとめてみました。
「秋」の季語
下の表では、一番上の「秋」が主季語、その下に並んでいるものが子季語になります。
子季語は、主季語の関連語、という考えで大丈夫です。
秋(あき) | 夏の次の季節。立秋から立冬の前日まで。わが国では俗に九・十・十一の三か月 |
白秋(はくしゅう) | 五行説において、秋の色は「白」であることから、「秋」の異称が「白秋」となった |
白帝(はくてい) | 五行説で、白を西・秋にあてるところから。西方の神。秋をつかさどる神 |
素秋(そしゅう) | 秋のこと。「素」は白の意。五行説で白色を秋に配するところから |
高秋(こうしゅう) | 秋は晴れ渡って空の高く見えることから |
商秋(しょうしゅう) | 中国の音楽で使われる階名は、五音 (ごいん) の 宮(きゅう)、商(しょう)、角(かく)、 徴(ち)、 羽(う)からなるが、「商」は四季では秋にあたる |
金秋(きんしゅう) | 五行 (古代中国に端を発する自然哲学の思想) 。万物は火・水・木・金・土の5種類の元素からなり、金が季節では秋にあたるところから |
凛秋(りんしゅう) | 秋のこと。「凜」は、字義として「寒い、すずしい」という意味がある。 |
爽節(そうせつ) | 秋のこと。空気が澄明で気持ちの季節のこと |
収成(しゅうせい) | 秋のこと。秋の取り入れ。秋の収穫の意味がある |
三秋(さんしゅう) | 秋季の3か月 |
九秋(きゅうしゅう) | 秋の90日間のこと |
季語の選び方、使い方のポイント
秋について
歳時記を開くと、「秋」を表す言葉がたくさん並んでいますね。「白秋」「素秋」「金秋」「九秋」など、美しい言葉が並びますが、これらは単に「秋」という意味だけでなく、それぞれが微妙に異なるニュアンスを持っています。
例えば、「九秋」は秋の90日間を指し、時間の経過を強調する言葉です。「金秋」は、古代中国に端を発する自然哲学の思想から生まれた言葉です。このように、それぞれの言葉には、漢字一つ一つに意味があり、作者の想いをより深く表現するための道具として使われています。
これらの言葉が生まれた背景や、使われる状況を理解することで、あなたの俳句は、より奥深く、豊かなものになるでしょう。例えば、「高秋」と「爽節」はどちらも秋を表しますが、「高秋」は澄んだ秋の大気をイメージし、「爽節」はさわやかな秋の季節をイメージします。このように、言葉の選び方一つで、全く異なる情景が浮かび上がってくるのです。
季語は、単なる言葉の羅列ではありません。自然の美しさや、人の心の動きを表現するための、繊細な道具なのです。ですから、季語を使う際には、必ず辞書や歳時記で意味を調べ、その言葉が持つイメージをしっかりと掴むようにしましょう。
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