俳句の創作力を高めるための心の習慣

俳句と心の持ち方

先人の言葉を鵜呑みにしない

俳句を始めて2、3年。あなたはもう、単なる初心者ではありません。様々な俳句に触れ、自分なりの言葉を探求していることでしょう。
さて、俳句を始めたばかりの頃、あなたは多くのことを教本から学びました。「なるほど」と、書かれていることを鵜呑みにしていたかもしれません。それは、何も知らない状態から一歩を踏み出す上で、とても大切なことです。
しかし、俳句歴が長くなるにつれて、少し立ち止まって考えてみませんか? 「本当にそうだろうか?」 と。

先人の言葉は絶対ではない

先人の言葉は、私たちにとって貴重な財産です。しかし、それは絶対的なものではありません。時代や状況は常に変化しています。先人たちが生きていた時代と、今の時代では、言葉の意味や捉え方が変わっていることもあるかもしれません。
「あの先生がこう言っているのだから、ダメだ」という言葉は、ときに私たちの創作表現の可能性を狭めさせてしまいます。確かに、先人の言葉には重みがあります。しかし、それらの言葉に縛られすぎる必要はありません。

自分の言葉で語る

大切なのは、自分自身の言葉で語るということです。先人の言葉は、あくまでも参考です。それを踏まえて、自分なりに考え、表現することが大切です。

  • 疑問を持つ: 先人の言葉に対して、疑問を持つことを恐れないでください。
  • 反証してみる: 先人の言葉が必ずしも正しいとは限らないことを理解し、反証してみることも大切です。
  • 自分なりの答えを出す: 答えが見つからない問いも、自分なりに考えてみましょう。

俳句は、あなただけのもの

俳句は、あなただけの表現の場です。誰かの言葉に縛られることなく、自由に表現してみましょう。

  • 多様な視点を持つ: さまざまな角度から物事を捉え、言葉にしてみましょう。
  • 新しい表現に挑戦する: 従来の俳句の形式にとらわれず、新しい表現に挑戦してみましょう。
  • 自分だけの世界観を創る: あなただけの独特な世界観を表現してみましょう。

俳句の歴史は、あなたの手で紡がれる

俳句の歴史は、多くの人の手によって紡がれてきました。そして、その歴史はこれからも続いていきます。あなたも、その歴史の一端を担うことができるのです。
あなたの言葉が、未来の俳人の心を揺さぶり、新しい俳句を生み出すきっかけになるかもしれません。

すべての体験は、俳句のためにある

「すべての体験は、俳句のためにある」という言葉、少し大げさに聞こえるかもしれませんね。でも、よく考えてみると、私たちの俳句は、過去のすべての体験の積み重ねによってできていると言えるのではないでしょうか。

過去の体験が、今の俳句を作っている

俳句を始めたばかりの頃、「過去の体験が、今の俳句作りにどう役立つのだろう?」と疑問に思った方もいるかもしれません。確かに、過去の出来事が、今の句に具体的にどう影響しているのかを証明することは難しいかもしれません。

しかし、私たちは、過去のすべての経験を自分の中に蓄積しています。喜怒哀楽、感動、絶望…、それらの感情や記憶が、私たちという人間を形作り、私たちの言葉の選び方、表現の仕方、そして世界の見方を変えていきます。

すべての体験が、俳句の糧になる

つまり、私たちの俳句は、過去のすべての体験の集大成と言えるのです。喜怒哀楽、美しい風景、出会った人々、読んだ本、聞いた音楽…、それらすべてが、私たちの俳句の中に溶け込んでいます。

未来の俳句のために、今できること

では、どうすれば、より豊かな俳句を作ることができるのでしょうか?それは、様々な体験を積み重ねることです。

  • 五感を研ぎ澄ます: 美しい風景を眺めたり、美味しいものを食べたり、心地よい音楽を聴いたり…、五感を研ぎ澄まして、様々な感覚を味わうこと。
  • 読書や芸術鑑賞を楽しむ: 本を読んだり、美術館に行ったり、音楽を聴いたり…、様々な芸術に触れることで、感性を磨くこと。
  • 新しいことに挑戦する: 普段しないようなことをしてみたり、新しい場所に行ってみたり…、新しい経験をすること。

これらの経験は、私たちの心に新たな刺激を与え、俳句の世界を広げてくれるはずです。

「こんなもんでいいでしょ」俳句は、出さない方がいい

句会などで、「こんなもんでいいでしょ」と安易に作ったような句を見かけることがありますよね。例えば、「桜が綺麗だった」とだけ書かれた句など。

なぜ、このような句が出てしまうのでしょうか?

それは、「表現することの難しさ」を避けているからかもしれません。美しい桜を言葉で表現しようとすると、どんな言葉を選べばいいのか、どんな角度から描写すればいいのか、と悩むことになります。時間をかけて言葉を選び、何度も推敲を重ねる作業は、とても大変です。だから、つい「こんなもんでいいか」と妥協してしまうのです。

でも、本当に「こんなもんでいい」のでしょうか?

読者にとって、そのような句を読むことは、時間の無駄になってしまいます。美しい桜の姿が目に浮かばない、心に響く言葉がない、そんな句を読んでも、何の感動も得られません。

作者にとっても、それは同じことです。 安易に作った句に対して、講評をもらっても、真剣に受け止めることは難しいでしょう。せっかく時間を割いて句会に参加しているのに、自分の成長には繋がらないのです。

「こんなもんでいい」という言葉は、実はとても恐ろしい言葉です。

私たちの周りには、「こんなもんでいい」という考え方があふれています。手抜きで作られた商品、内容のないテレビ番組、形ばかりのコミュニケーション…。これらの共通点は、**「手を抜いている」**ということです。

一方で、「手を抜かない」という姿勢でつくられたものには、人の心を打つ力があります。手間暇かけて作られた美味しい料理、丁寧に作られた美しい工芸品、人の心に響く言葉…。これらの共通点は、「作り手の情熱」が感じられるということです。

俳句も同じです。

「こんなもんでいい」ではなく、「もっと良くしたい」という気持ちで作品を作り続けること。それが、あなたの俳句を成長させ、そして、読者の心に響く作品を生み出すことに繋がるはずです。

目標へ到達するために必要なもの

目標達成が難しいのは、途中で諦めてしまう人が多いからです。「三年間取り組んでみたけれど、目標に到達できなかったからやめる」という言葉を耳にすることがあります。でも、本当にそれで良いのでしょうか?

三年間も一つのことに取り組むことは、簡単なことではありません。途中で何度も壁にぶつかり、挫折しそうになったことでしょう。それでも、三年間も続けてきたということは、あなたの努力の証です。

継続することの大切さ

「目標を達成するために、継続すること」

これは、当たり前のことのように思えますが、とても大切なことです。継続することで、少しずつでも確実に目標に近づいていくことができます。

途中で諦めてしまうと、これまでの努力が水の泡になってしまいます。せっかく積み重ねてきた経験やスキルが、無駄になってしまうのです。

立ち止まって考える

もし、途中で目標を達成するのが難しく感じたり、モチベーションが下がったりした時は、一度立ち止まって考えてみましょう。

  • なぜ、この目標を立てたのか?
  • 目標を達成するために、これまでどんなことをしてきたか?
  • これから、何をすれば目標に近づけるのか?

これらのことをじっくりと考えることで、再び目標に向かって歩き出すことができるはずです。

俳句は、人生の旅のようなもの

俳句を作ることは、目的地に向かって進む旅のようなものです。道中には、美しい風景や険しい山道、そして、思わぬ出来事が待ち受けているかもしれません。

大切なのは、目的地にたどり着くことだけではなく、その旅を楽しむことです。

目標に向かって努力することは素晴らしいことです。しかし、途中で諦めずに、粘り強く続けることが大切です。

 

俳句を続けるあなたへ:忍耐、勇気、創造の3つの力

俳句の道は、想像以上に奥が深く、ときに孤独を感じることもあるかもしれません。
でも、ご安心ください。 あなたが感じている悩みや迷いは、多くの俳人たちが経験してきたことです。

『忍耐』宝石を磨くように

俳句は、17音という短い中に、作者の想いや風景を凝縮する芸術です。 美しい句を詠むためには、日々の積み重ねが大切です。 「石の上にも三年」という言葉があるように、焦らずにじっくりと、言葉の選び方や季語の使い方を学んでいきましょう。

最初はなかなか思うような句が作れなくても、決してあきらめないでください。 むしろ、一年で結果を求めるのではなく、「一年分の努力を一年で終わらせる」という気持ちで、俳句と向き合ってみましょう。 そうすることで、より大きな成長が期待できるはずです。

『勇気』自分の作品を信じて

「自分の作品は良くない」と、なかなか作品を発表できない方もいらっしゃいます。 しかし、作品を発表することは、自分自身を試すことでもあります。 作品を発表することで、客観的な意見をもらうことができ、自分の成長に繋がるはずです。

もちろん、初心者の作品は、未熟な部分も多々あるでしょう。 しかし、初心者ならではの視点や表現方法もたくさんあります。
実際に、わたし自身も始めたばかりの頃の作品を見ると、未熟な表現が目に付きます。ただ、その中でも「これは自分が作ったの?」と思うような、みずみずしい視点で、いまの私では作ることのできない作品を見て驚くことがあります。
伝えたいこと、表現したいという思いは、もしかすると、初心者の方が強くて、その時期にしか作れない作品があるのかもしれません。

周りの意見に振り回されることはありません。自分の作品を信じて、発表してみましょう。 必ず、あなたの作品を評価してくれる人がいます。

『創造』自分だけの世界を

好きな俳人の作品を参考にしたり、先輩の句を真似てみたりすることは、俳句を学ぶ上で大切なことです。 しかし、常に誰かの真似をしているだけでは、自分だけのオリジナルな作品を生み出すことはできません。

自分だけの視点や表現方法を探し、それを作品に表現していくことが、俳句の醍醐味と言えるでしょう。 「自分しか作れない句」を目指して、日々研鑽を積んでいきましょう。

俳句の世界は、忍耐強く、勇気を持って、そして創造性を育むことで、より一層楽しめるものです。 焦らずに、楽しみながら、俳句の世界を探求していきましょう。

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