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■8音の季語を置く場所
季語の音数が8音以上になってくると、置く場所も限られてくる
ただ、その中でも置きやすい場所がまったく無いわけではない
考え方としては、次の2つを意識するといい
①
8音の季語は
先頭か最後のどちらかに置く
ただ、どちらかに置くにしても、句またがりになるので
できれば、8音の季語の中で切れそうな部分を、五・七・五の切れる部分に合わせるといい
例えば、「バレンタインデー(8音)」であれば
「バレン・タインデー」←「・」の所で切れそうなので
そこを「五・七・五」の「・」に合わせるといい
なので、バレンタインデーであれば、後ろに置いた方がリズムは良くなる
〇〇〇〇〇 / 〇〇〇〇バレン / タインデー
先頭ではリズムが悪い
バレン・タイ / ンデー〇〇〇〇 / 〇〇〇〇〇
②
通常、中七での字余りはやめた方が良いと言われるが、そんな中でも「4音+4音」で構成されている8音の季語は、中七に置ける場合がある
例えば
憲法記念日(けんぽう・きねんび)
緑の週間(みどりの・しゅうかん)
林間学校(りんかん・がっこう)
など
これらを中七に置くと、このようになる
〇〇〇〇〇 / けんぽう・きねんび / 〇〇〇〇〇
〇〇〇〇〇 / みどりの・しゅうかん / 〇〇〇〇〇
〇〇〇〇〇 / りんかん・がっこう / 〇〇〇〇〇
そうなると「5・4・4・5」という流れになり、中心を境に音数が奇麗に対象となるため、違和感が無くなるのだ
この2つを意識して置く場所を決めると良い
季語だけを頭に浮かべて、作り始めてもいいが、結構大変な作業になるはずだ
というのも、句を完成させるためには
「季語を置く場所」「五七五のリズム」「十七音の文字数」「詠む内容」など
考えることが沢山あるからだ
それらを考えて、パッと句を完成させることは、経験者だって難しい
そうではなくて、季語を置く場所を先に決めてしまう
そうすることで、もう
「季語を置く場所」は考えなくていいし
「五七五のリズム」を意識する場所は激減する
■まとめ
8音の季語を使う場合は
季語の中の「軽い切れ」を意識して、置く場所を決めてしまう
そうすることで、俳句は圧倒的に作りやすいのだ
■8音の季語の紹介
8音の季語の一覧を載せたので、その季語で俳句を作ってみよう
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春 |
8音萍生ひ初む(うきくさおいそむ)、北野菜種御供(きたのなたねごく)、建国記念日(けんこくきねんび)、憲法記念日(けんぽうきねんび)、嵯峨大念仏(さがだいねんぶつ)、山帰来の花(さんきらいのはな)、地虫穴を出づ(じむしあなをいづ)、鎮花祭(はなしずめまつり)、バレンタインデー(ばれんたいんでー)、安良居祭(やすらういまつり)、ゴールデンウィーク(ごーるでんうぃーく)、緑の週間(みどりのしゅうかん)、龍天に昇る(りゅうてんにのぼる) |
夏 |
8音烏瓜の花(からすうりのはな)、鞍馬の竹伐(くらまのたけきり)、忍冬の花(すいかずらのはな)、虫歯予防デー(むしばよぼうでー)、山法師の花(やまぼうしのはな)、林間学校(りんかんがっこう)、夏期講習会(かきこうしゅうかい)、狐の提燈(きつねのちょうちん)、愛鳥週間(あいちょうしゅうかん)、昆虫採集(こんちゅうさいしゅう) |
秋 |
8音鞍馬の火祭(くらまのひまつり)、震災記念日(しんさいきねんび)、八朔の祝(はっさくのいわい)、六斎念仏(ろくさいねんぶつ)、終戦記念日(しゅうせんきねんび)、八幡放生会(やはたほうじょうえ) |
冬 |
8音神等去出の神事(からさでのしんじ)、寒中水泳(かんちゅうすいえい)、ボジョレー・ヌーヴォー(ぼじょれーぬーぼー) |
新年 |
8音穂俵飾る(ほんだはらかざる) |
■ほかの音数の季語の置く場所(記事リンク)
■音数から季語をさがせる本
12,500語の季語を、音数順に並べた本があります
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