季語の中には、子季語として歳時記に掲載されているものもありますが、その意味が詳しく説明されていない場合もあります。子季語の意味を知ることで、より良い俳句を作ることができるので、今回はよく使われる主季語と子季語の意味をまとめてみました。
「苜蓿」の季語
下の表では、一番上の「苜蓿」が主季語、その下に並んでいるものが子季語になります。
子季語は、主季語の関連語、という考えで大丈夫です。
《 晩春 》
苜蓿【うまごやし】 | まめ科の越年生植物。茎の下部は地にはい、上部は直立する。葉は三つ葉で、クローバーに似ている。晩春、黄色の小花を球状につける。 |
苜蓿(もくしゅ) | ウマゴヤシの事。 |
クローバー | シロツメクサの別名。 |
クローバ | シロツメクサの別名。 |
紫うまごやし (むらさきうまごやし) | アルファルファの別名。 |
白詰草 (しろつめくさ) | しろつめくさマメ科の多年草。茎は地をはい、3枚の小葉からなる複葉。夏、葉の付け根から花柄を伸ばし、白い小花を密集してつける。 |
オランダげんげ (おらんだげんげ) | オランダげんげシロツメクサの別名。 |
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苜蓿について
「苜蓿」は、漢語の「もくしゅ」と、和語の「うまごやし」という二つの読み方があります。
- もくしゅ: 漢語であるため、少し硬く、学術的な印象を与えます。古くからの文学作品や、より格式高い表現に適しています。
- うまごやし: 和語であり、身近な植物としての印象が強いです。親しみやすく、日常的な情景を描きたい場合に適しています。
俳句では、詠みたい情景や表現したい雰囲気に合わせて、どちらの言葉を選ぶかを決めることができます。例えば、春の野原に咲く苜蓿を詠む場合、若葉の緑や春の息吹を表現したいなら「うまごやし」、より古典的な雰囲気を出したいなら「もくしゅ」といったように使い分けることができます。
「苜蓿」関連の俳句
「苜蓿」を使った俳句にはこのようなものがあります。俳句作りの参考になさってください。
「苜蓿」の例句
苜蓿踏みし者より兵となり 高橋修宏 | 高橋修宏の句集(Amazon) >> |
流寓の冬みどりなす苜蓿 能村登四郎 | 能村登四郎の句集(Amazon) >> |
古里や学舎の跡うまごやし 馬場馬子 | - |
「クローバー」の例句
転勤の知らせ四つ葉のクローバー 田崎比呂古 | - |
墓のケロイド癒えじクローバ盛り上る 香西照雄 | - |
転勤の知らせ四つ葉のクローバー 田崎比呂古 | - |
「白詰草」の例句
化野に白詰草を教わりし 曾根毅 | 曾根毅の句集(Amazon) >> |
白詰草特急列車の寢台に 松本光子 | - |
白詰草針に糸ある幸のある 高桑婦美子 | - |
たてがみに白詰草をさしやりぬ 木幡忠文 | 木幡忠文の句集(Amazon) >> |
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