「麗らか」と子季語の意味

季語と子季語のそれぞれの意味

俳句を詠むためには季語の理解が欠かせませんが、歳時記には主に主季語しか説明されていません。そのため、子季語の意味を知らずに使ってしまうことも。このページでは、子季語もしっかり説明し、初心者の方が自信を持って俳句を詠めるようサポートしています。

「麗らか」の季語

下の表では、一番上の「麗らか」が主季語、その下に並んでいるものが子季語になります。
子季語は、主季語の関連語、という考えで大丈夫です。


《 春 》

麗らか【うららか】空が晴れて、日が柔らかくのどかに照っているさま。
麗ら(うらら)麗らかに同じ。
うららけし(うららけし)うららかである。のどかである。
日うらうら(ひうらうら)春の日が輝きわたって、万象のことごとく柔らかに明るく
美しく見えわたる様。
うらうら(うらうら)日の光がのどかで明るいさま。




麗らかについて

「麗ら」「麗らか」「麗けし」など、美しい様子を表す言葉はさまざまです。これらの言葉は、基本的には同じ意味を持ちますが、文末の語形が異なります。

  • 麗ら: 形容動詞の語幹です。
  • 麗らか: 「麗ら」に「か」という係助詞が付いた形です。
  • 麗けし: 形容詞のク活用で、文末を修飾する際に使われます。
  • 麗らかさ: 「麗らか」という状態を表す名詞で、「麗けし」から派生した言葉です。

これらの言葉は、文の構造や表現したいニュアンスに合わせて使い分けられます。俳句では、言葉の音やリズムだけでなく、季語の意味や情景との調和も考慮して言葉を選びましょう。例えば、春の柔らかな光を表現したい場合は「麗らか」よりも「うらら」の方が適しているかもしれません。


「麗らか」関連の俳句

「麗らか」を使った俳句にはこのようなものがあります。俳句作りの参考になさってください。

「麗らか」の例句

麗らかさ昨日見し鞠けふに照る 岡田一実岡田一実の句集(Amazon) >>
麗らかや昔は出来た逆上り 福島正明 - 
麗らかや長居の客の膝頭 内田百閒内田百閒の句集(Amazon) >>


「麗ら」の例句

青帝宮置き碧天の麗らなり 宮津昭彦宮津昭彦の句集(Amazon) >>


「うららけし」の例句

あれが三輪あれが香具山うららけし 辻享子辻享子の句集(Amazon) >>
舟持ちて嫁ぎ来しとやうららけし 和田崎増美 - 
うららけし言葉の海に糸を垂れ 渡辺知美 - 


「日うらうら」の例句

坂道をくだる港の日うらうら 目崎聖子 - 


「うらうら」の例句

うらうらと富士を間近に冬の蝶 山尾かづひろ - 
うらうらと陽の上りたる霧氷かな 片淵龍王 - 
つつうらうらのうつらうつらやひからかさ 中山美樹 - 



季語探しの強い味方『四季を語る季語』

季語を選ぶ際には、様々な要素を考慮する必要がありますが、従来の歳時記には子季語の意味が詳しく記載されていないため、適切な季語を選ぶのが難しいという課題がありました。

『四季を語る季語』は、全ての子季語の意味を網羅することで、この課題を解決し、よりスムーズな季語選択を可能にします。

↓↓下の本がそうです。

タイトルとURLをコピーしました