文語で作られている俳句作品の中で、よく「現れる」という言葉を見ますが
「現れる」は口語(現代の言葉)です
文語(昔の言葉)は「現る(あらわる)」となります
文語で俳句を作っている人は、注意しましょう
俳句で「現れる」を「現る」に直してみる
俳句作品の「現れる」を「現る」に直してみます
夕空や帰燕の一羽現れる
「現れる」は口語ですが、これを文語の「現る」に直すと次のようになります
夕空や帰燕の一羽現る
ただ、「現る」では下五が四音になってしまうので、一音つけたいところです
この場合は、例えば完了の助詞「ぬ」を使っても良いでしょう
夕空や帰燕の一羽現れぬ
このようにすれば、「現れたと」いう意味で使えます
念のために、それぞれの活用を確認します
「現れる」と「現る」の活用
口語の「現れる」の活用
動ラ下一段活用
活用(れ/れ/れる/れる/れれ/れろ(れよ))
活用表はこちらで確認できます >>>
文語の「現る」の活用
ラ行下二段活用
活用(れ/れ/る/るる/るれ/れよ)
活用表はこちらで確認できます >>>
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俳句作りで文法の基礎を勉強するのに、おすすめの本です
基礎をしっかりと学べるので、間違った言葉の使い方がなくなりますし
表現したい言葉を、古語に直して使えるようになります
