2音の季語は、ここに置くと作りやすい

俳句を作る

 

2音の季語を置く場所

まとめ

2音の季語の紹介

ほかの音数の季語の置く場所(記事リンク)

音数から季語をさがせる本

 


■2音の季語を置く場所

季語はそれぞれの音数ごとに、置きやすい場所がある

その場所をあらかじめ知っておくと、俳句を作る過程がずいぶん楽になる

 

 

2音の季語を使う場合は

上五・下五の中で使うと、俳句は作りやすい

 

 

↓上五

牡蠣(かき)〇〇〇〇 / 〇〇〇〇〇〇〇 / 〇〇〇〇〇

 

                  ↓下五

〇〇〇〇〇 / 〇〇〇〇〇〇〇 / 牡蠣(かき)〇〇〇〇

 

 

2音の季語の句を調べてみると分かるが、だいたい上五・下五に季語が入っている

 

例句

 

牡蠣筏」 少年はかもめ 射るしぐさ

牡蠣殻を」 重ねて人を 好きになる

 

パン種の 生きてふくらむ 「夜の

一枚の 橋をわたるや 「の海」

 

 

さらにポイントを言うと

上五・下五に季語を入れるときに、季語入りの5音の文章にすると良い

牡蠣筏」「牡蠣殻を」「夜の」「の海」の所が、それ

 

5音を作ってから、それに合った12音を後から作ると、作りやすいのだ

 

 

例えば

 

牡蠣 / 〇〇〇〇〇〇〇 / 〇〇〇〇〇

牡蠣筏」という5音を作ってしまったら、その後に

牡蠣筏が、(どうたの?何かあったの)という所を、12音で考えればいい

 

 

牡蠣殻を / 〇〇〇〇〇〇〇 / 〇〇〇〇〇

牡蠣殻を」という5音を作ったら、その後に

牡蠣殻を、(どうしたの?何したの?)という所を、12音で考えればいい

 

 

 

 

 

2音の季語を先頭や語尾に持ってきて、残り15音の穴埋めをしてもいいが

相当、大変な作業になる

 

牡蠣〇〇〇 / 〇〇〇〇〇〇〇 / 〇〇〇〇〇

〇〇〇〇〇 / 〇〇〇〇〇〇〇 / 〇〇〇牡蠣

 

なぜ大変か?

 

 

 

①「牡蠣(かき)」しか決まっていないと、書く内容が絞れずに、何を書いていいのか分からなくなるから

「牡蠣」だけでなく「牡蠣殻を」となっていれば、それだけで焦点が狭まるので、書く内容もおのずと見えてくる

 

 

「牡蠣(かき)」しか決まっていないと、残りの15音の穴埋めをしながら、さらに五七五のリズムを考えなければいけない

牡蠣〇〇〇  〇〇〇〇〇〇〇  〇〇〇〇〇

      ↑         ↑

  この2カ所のリズムも考えなくてはいけない

 

 

もし「牡蠣殻を」と、5音が決まっていれば、穴埋めは12音ですむし、リズムも一か所を意識すればいいだけとなる

牡蠣殻を / 〇〇〇〇〇〇〇  〇〇〇〇〇

               ↑

  上五は決まってしまったので、後ろのリズムを考えるだけですむ

 

 

 

 

初心者は、俳句を作る時に、いきなり完成形を目指してしまう

しかし、句を完成させるためには、「季語を置く場所」「五七五のリズム」「十七音の文字数」「詠む内容」など色々なことを考えなくてはいけない

それらを全て考えながら、いきなり完成形を作ることは、俳句経験者だって難しい

 

 

経験者の場合は

無意識の中で、今説明したことをやってしまっているのだ

2音の季語を使う場合は、季語入りの5文字の文章を作って、上五か下五に置いてしまっているのだ

 

それによって、もう

「季語を置く場所」は考えなくていいし

「五七五のリズム」を意識する場所は、2カ所から1カ所に減る

「16音の文」ではなく、「12音の文」を考えるだけでよい

 

だから、作りやすくなるのだ

 

 

 


 

■まとめ

2音の季語を使う場合は

季語を入れた5音を最初に作る

それから、残りの12音を作った方が、圧倒的に作りやすいのだ

 

 

 

■2音の季語の紹介

2音の季語の一覧を載せたので、その季語で俳句を作ってみましょう

 

 ↓クリックすると表示されます         

2音

海髪(うご)、鷽(うそ)、独活(うど)、海胆(うに)、梅(うめ)、蝌蚪(かと)、雉(きじ)、桑(くわ)、東風(こち)、芹(せり)、凧(たこ)、萵苣(ちさ)、蜷(にな)、韮(にら)、海苔(のり)、蜂(はち)、花(はな)、春(はる)、藤(ふじ)、鱒(ます)、御忌(ぎょき)、蝶(ちょう)

2音

麻(あさ)、鯵(あじ)、汗(あせ)、鮎(あゆ)、蟻(あり)、瓜(うり)、蟹(かに)、黴(かび)、蚊帳(かや)、喜雨(きう)、鱚(きす)、蜘蛛(くも)、螻蛄(けら)、夏至(げし)、鯖(さば)、紫蘇(しそ)、紙魚(しみ)、海霧(じり)、鮓(すし)、蟬(せみ)、セル(せる)、滝(たき)、蛸(たこ)、蓼(たで)、梅雨(つゆ)、茄子(なす)、夏(なつ)、虹(にじ)、蚤(のみ)、蠅(はえ)、鱧(はも)、薔薇(ばら)、鷭(ばん)、蛭(ひる)、枇杷(びわ)、蕗(ふき)、蚋(ぶよ)、蛇(へび)、べら(べら)、繭(まゆ)、麦(むぎ)、灼く(やく)、灼け(やけ)、簗(やな)、川床(ゆか)、百合(ゆり)、余花(よか)、蘭(らん)、蝦蛄(しゃこ)、初夏(しょか)、避暑(ひしょ)、雹(ひょう)

2音

秋(あき)、粟(あわ)、稲(いね)、芋(いも)、荻(おぎ)、柿(かき)、萱(かや)、雁(かり)、菊(きく)、黍(きび)、霧(きり)、葛(くず)、栗(くり)、茱萸(ぐみ)、解夏(げげ)、胡麻(ごま)、鮭(さけ)、鹿(しか)、鴫(しぎ)、月(つき)、蔦(つた)、露(つゆ)、梨(なし)、萩(はぎ)、稲架(はざ)、鯊(はぜ)、稗(ひえ)、鶸(ひわ)、五倍子(ふし)、五倍子(ふし)、鰡(ぼら)、虫(むし)、郁子(むべ)、鵙(もず)、籾(もみ)、柚子(ゆず)、早稲(わせ)、棉(わた)、古酒(こしゅ)、処暑(しょしょ)

2音

牡蠣(かき)、火事(かじ)、風邪(かぜ)、鴨(かも)、狩(かり)、寒(かん)、熊(くま)、鮫(さめ)、冴ゆ(さゆ)、霜(しも)、炭(すみ)、咳(せき)、橇(そり)、鷹(たか)、足袋(たび)、鱈(たら)、鶴(つる)、葱(ねぎ)、胼(ひび)、河豚(ふぐ)、冬(ふゆ)、鰤(ぶり)、榾(ほだ)、餅(もち)、雪(ゆき)、夜着(よぎ)、鷲(わし)、除夜(じょや)

新年

2音

去年(こぞ)、独楽(こま)、歯朶(しだ)、屠蘇(とそ)

■ほかの音数の季語の置く場所(記事リンク)

■音数から季語をさがせる本

12,500語の季語を、音数順に並べた本があります

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