「良い俳句って、どういうもの?」と思っている人。
この記事では、あなたにとっての良い俳句の見つけ方を紹介してます。
俳句を始めたばかりの方や、これから始めたいと考えている方にとって、「どの俳句を参考にすれば良いのか」という悩みはつきものです。ネットや書籍には数多くの俳句が溢れており、その中からどれを手本とすれば良いか迷うことは少なくないでしょう。
そんな中、私が辿り着いた方法があります。初心者の方でも取り入れやすいステップをまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。
1. 「歳時記」の俳句を手本にする
俳句を学び始めると、「句会で発表された俳句」や「俳句教室で知り合った方の俳句」など、さまざまな句に触れる機会が増えます。それらももちろん素晴らしい作品が多いのですが、私が特にお勧めするのは「歳時記」に載っている句を手本にすることです。
歳時記に掲載されている俳句は、時代を超えて評価され続け、今日まで残ってきたものです。一方で、現代に発表された俳句は、素晴らしいものであっても、長い時を経て生き残るかは未知数です。だからこそ、歴史に耐え、今なお輝きを放つ歳時記の俳句を、学びの基礎とすることが重要です。
2. 三度読み返すことで、真に響く俳句を選ぶ
歳時記には膨大な数の俳句が収録されています。そのため、すべての句を参考にするのは現実的ではありません。そこで、私は次の手順で「自分にとって本当に参考になる俳句」を絞り込んでいます。
まず、一度歳時記の全ての句を読み、その中で自分の感性に響いた句にチェックを入れます。そして、少なくとも1年後に、再度同じ歳時記を読み返して、同様にチェックを入れます。このプロセスをさらにもう一度、合計三回繰り返します。
すると、三回ともチェックが入る句がいくつか出てきます。千句の中に1~2句くらいです。それらこそが、時を超えて自分の中で価値を持ち続ける句です。どんなに時間が経っても響く句は、何か特別な要素を持っているはずです。それが何なのかは、俳句を作り続ける中で徐々に見えてくることでしょう。
3. 自分にとって価値ある句との向き合い方
このようにして選ばれた俳句は、他のどの句よりもあなたの感性を刺激するものです。その刺激の正体が分からなくても、それを手本にして俳句を作っていく過程で、その「何か」が少しずつ明らかになるはずです。
むやみに他人の俳句を真似るよりも、自分にとって価値のある句を選び、それを基盤にした方が、きっと俳句の創作が楽しく、意味深いものになるでしょう。
まとめ
初心者が参考にすべき俳句を見つけるためのポイントは次の2つです。
- 自分が手本にする俳句は、まず「歳時記」から選ぶ。
- 「歳時記」にある句を、少なくとも3度読み返して、そのたびに響く句を「参考にする俳句」とする。
この方法を通じて、俳句の世界に少しずつ親しんでみてください。きっと、あなた自身の感性が引き出される瞬間が訪れるでしょう。
不思議なことに、チェックのついた俳句の作者をみると、同じ人であることが多いものです。
感性の合う俳人が分かったら、その俳人の句集を読むのも良いですよ。