「滝」の季節ごとの季語

四季で見られる季語

俳句では「滝」といえば夏の季語ですが、冬にも滝の季語はあり「冬の滝」と呼ばれています


「滝」に関連する季語はいろいろあるので、ここでは、初めて目にする季語でもすぐ使えるように、関連季語のすべての意味を紹介しています
俳句を作る際の参考になさってください


夏の滝

滝(たき)

水流がほぼ垂直に落下するところ。河床の高さに落差がある場合に生じる

滝の上に水現れて落ちにけり 後藤夜半後藤夜半の句集(Amazon) >>
いつきても滝を見にゆく山の晴 雨村敏子雨村敏子の句集(Amazon) >>



瀑布(ばくふ)

高い所から白い布を垂らしたように、直下する水の流れ。滝。飛泉

一ところより行きどころなき瀑布 対馬康子対馬康子の句集(Amazon) >>
勇魚捕る船や遠見の大瀑布 尾崎青磁 - 



飛瀑(ひばく)

高い所から落下する滝。

滝壺(たきつぼ)

滝が落ち込んで深い淵(ふち)となった所。

滝壺のぞく誰もかもひとり 石田よし宏 - 
滝壺の動かぬ水を怖れけり 森山夏城 - 



滝しぶき(たきしぶき)

滝のはねあがる水

若返る水やも知れぬ滝しぶき 佐藤孝子 - 
銀の笛ほし滝しぶき虹となり 桂信子桂信子の句集(Amazon) >>



滝風(たきかぜ)

滝が流れ落ちる時に生じる風

滝風に吹かれあがりぬ石たたき 飯田蛇笏飯田蛇笏の句集(Amazon) >>



滝の音(たきのおと)、瀑声(ばくせい)

滝が流れ落ちる時に生じる音

いちにちの赤きところに滝の音 渋川京子 - 
滝の音聞かせ山葵を太らせる 阿部佑介阿部佑介の句集(Amazon) >>



男滝(おとこだき)

一対の滝で大きい方

女滝(おんなだき)

一対の滝で小さい方

女滝の前に佇つ男 やさしくなる 明石春潮子明石春潮子の句集(Amazon) >>



滝見(たきみ)

滝を見物すること

自由時間滝見に少し足らざりき 中村路子 - 



滝涼し(たきすずし)

滝のもとでとる涼み

滝道(たきみち)

滝の道

滝見茶屋(たきみじゃや)、滝殿(たきどの)

滝を見るために、滝の近くに建てられた建物。暑さをはらうためのもの。

滝浴(たきあび)

暑中に涼を求めて滝に打たれること。修行のための滝浴は季節に関係なく行われるが、滝垢離・滝行者も含めて夏の季語としている。

滝垢離(たきごり)

滝で行なう垢離(ごり)

垢離とは、神仏に祈願する前に海水や冷水を浴びて、心身の汚れを落とし、清めること。水ごり。

滝行者(たくぎょうじゃ)

滝にうたれて修行する行者のこと

滝行者渾身水色に徹す 國定義明國定義明の句集(Amazon) >>



冬の滝

冬の滝(ふゆのたき)、冬滝(ふゆだき)、寒の滝(かんのたき)

冬にみる滝で、水量は少ない
山奥では滝がそのまま凍っていることがある

山脈やわが幻の冬の滝 松下總一郎 - 
念仏のぎっしり詰まる冬の滝 山﨑政江 - 



凍滝(いてたき)、氷瀑(ひょうばく)、滝凍る(たきこおる)、氷り滝(こおりだき)

滝が氷結すること。また、氷結した滝のこと
流れ落ちるまま氷った姿は壮絶で美しい

凍滝は父の表情して居たり 八尾とおる - 
凍滝やすぎきし時間かがやきぬ 大竹照子 - 







滝の有名な俳句

滝の有名な俳句はいろいろありますが、個人的に好きな滝の俳句です

滝の上に水現れて落ちにけり 後藤夜半後藤夜半の句集(Amazon) >>




四季でみられる季語の関連記事

季語を深く理解できる本

春夏秋冬+新年の季語が、合計24000語収録
すべての季語に意味が書かれています
今まで知らなかった季語を知るだけで、普段の生活がワクワクするものになります
俳句をやっている人であれば、季語の選択肢が増えて、いま以上に良い俳句が作れるようになるはずです

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: %E6%98%A5%E3%81%AE%E8%A1%A8%E7%B4%99.jpg画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: %E5%A4%8F%E3%81%AE%E8%A1%A8%E7%B4%991.jpg画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: %E7%94%BB%E5%83%8F1.jpg画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: %E5%86%AC%E3%81%AE%E8%A1%A8%E7%B4%991.jpg画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: E6960E5B9B4E381AEE8A1A8E7B4991.jpg
四季を語る季語
~美しい日本の四季のことば~

KindleUnlimited会員の方は無料で読むことができます
30日は無料体験ができるので、試しに会員登録をして読んでみてもいいと思います
会員登録はこちら >>>

四季で見られる季語季語の世界
シェアする
木幡 忠文をフォローする
タイトルとURLをコピーしました