小学校高学年で俳句を始めるといい理由

一歩を踏み出そう
芭蕉ねこ
芭蕉ねこ

俳句をやると、国語の力が育つよ!

俳句で語彙力をアップしよう!

小学校高学年から中学生にかけては、語彙力がぐんと伸びる時期に入ります。語彙力が増えると、文章を読んだり書いたりする力がアップし、自分の気持ちや考えをうまく表現できるようになります。俳句を通してたくさんの言葉に触れることで、この時期に語彙をさらに増やしていくことができるんです。

俳句は、たった17音の短い詩ですが、そこにたくさんの季語や美しい日本語が使われています。たとえば、月を表す言葉一つでも「朧月(おぼろづき)」「寒月(かんげつ)」など、いろんな表現があります。俳句を読むことで、これまで知らなかった言葉や表現に出会い、それを自分の語彙として身につけることができるんです。

俳句で「感覚」を磨こう

最近の若い人たちは、会話や文章で「流行語」や「若者言葉」をよく使います。「ヤバい」「あげみざわ」などの言葉で何でも表現できてしまうかもしれませんが、日本語にはもっと細やかで美しい表現がたくさんあります。俳句を通して、季節や自然を表す繊細な言葉に触れることで、物事を感じる力や表現力を磨くことができるのです。

俳句は、目の前にある景色や気持ちを少しずつ丁寧に感じ取り、その一瞬を言葉にする詩です。こうした言葉を学ぶことで、日常生活の中で見過ごしていた細かな部分にも気づけるようになり、感性が豊かになっていきます。

俳句で思考力も鍛えられる!

俳句は語彙力だけでなく、思考力も鍛えてくれる優れたツールです。俳句を作るためには、言葉の使い方や意味を深く考える必要があります。
たとえば、「星月夜(ほしづきよ)」という季語があります。この言葉を聞いたことがない人でも、言葉を分解して「星」「月」「夜」という3つの単語から、どんな風景を表しているのか想像することができます。
星や月が見えるということは、晴れた夜空だということも分かります。また、星や月は秋の季語でもあるため、「星月夜」が秋の晴れた日の夜空を言っているのかもしれない、という所まで推測することもできます。
こうした言葉の構造から意味を推測することで、論理的に物事を捉える力が養われるのです。

俳句には、類義語や反対語を学ぶのにも最適です。
同じ「を」という助詞でも、使う場面によって意味が変わることがあります。たとえば、「この冬ここに越すべき冬支度」という句では「を」は目的語を表しますが、「鳴子鳴るあと淋しき大河かな」では「を」は「が」のような意味になります。
こうした違いに気づくことで、言葉の使い方がぐんと上手になります。

単語の違いを俳句で学ぼう!

俳句は、短い言葉の中にたくさんの意味が込められています。
たとえば、「籠の目にからまり残る貝割菜」という句の「からまる」という言葉を他の言葉に変えてみると、どうなるでしょうか?「まきつく」に変えると、少しニュアンスが変わってきますよね。
こうした単語の違いを理解することは、文章を豊かに表現する力をつけるためにとても大切です。

また、反対語を使った学習にも効果的です。たとえば、「芋虫の周り明るく進みをり」という句の「明るく」を「暗く」に変えると、まったく違う印象の句になります。このように、俳句を通して単語の意味や反対語を学ぶことで、言葉の力をさらに伸ばすことができます。

俳句で文法力もアップ!

俳句を作るときは、わずか17音の中で言葉を選び、正しい文法を使わなければなりません。だからこそ、俳句を作ることで自然に文法力が身につくのです。文法の間違いひとつで、俳句の意味がまったく違ってしまうことがあるので、文法を正しく使う意識が高まります。

特に小学校高学年は、文法をしっかり学ぶ大切な時期です。俳句は短くてシンプルなので、文法を意識しやすい教材でもあります。言葉のリズムや文法に気をつけながら、俳句を作ることで、自然に文法力がアップするのです。

まとめ

小学校高学年で俳句を始めると、語彙力や表現力、そして思考力や文法力まで、さまざまな力をバランスよく育てることができます。俳句は日本語の美しさや自然の魅力を感じながら、言葉を大切に使うことを学べる素晴らしい方法です。

ぜひ、この時期から俳句に親しみ、言葉の力をどんどん伸ばしていってください!

 

 
 
■俳句の鑑賞で、語彙量をアップ
 
語彙の量が増すということは、様々な文章の理解力につながりますし、自身の表現をも広げることになります
小学校入学時では、語彙の量はすでに数千を有していますが、高学年からは中学生にかけてその増加ベースが著しく上昇します
語彙の増加量は20歳手前でおおむねストップするため、高学年(できれば低学年)から俳句の鑑賞に慣れ親しんで、語彙量を増加させることが重要でしょう
 
 
 
 
■細やかな感覚語の獲得
 
十代から二十代では、若者言葉で多くを表現してしまおうという子供が多いものです
白ける~、あげみざわ、ネグる、などいろいろあるのでしょうが
最も語彙の量が増えるこの時期だからこそ、俳句を鑑賞して、細やかで美しい日本の言葉を吸収して欲しいものです
 
 
 
 
 
 
■思考能力の強化
 
高学年にかけての、語彙教育における単語の構造、意味の変化、類義語、反対語、文体などの学習は、より複雑で総合的な分析となります
ただ、それらを通して子供は、より高い一般化の思考能力を身につけることができます
この語学教育は、ある一定以上のボリュームがある教材で無ければできないように思えますが
驚くことに、わずか数十句の俳句の鑑賞でも、これらの複雑な語学学習の教材となり得てしまいます
 
 
具体的に
①単語の構造
②意味の変化
③類義語
④反対語
⑤文体
の順で、俳句を使った簡単な学習方法を見てみましょう
 
 
 
①単語の構造から意味を推測
 
「星月夜さびしきものに風の音」
 
この一句を例題としてみます
 
句の中で使われている季語は「星月夜」ですが
「星月夜」という単語を見たことのない子供でも、単語を分解し、単語の構造を調べてみれば
おおよその意味を推測することができます
 
具体的に言えば、「星月夜」を分解すると、星、月、夜の単語で構成されていることが分かります
星、月が見えるということは、晴れた夜空だということが分かるでしょう
また、星、月、は秋の季語にもなっていますから、「星月夜」が秋の晴れた日の夜空を言っているのかもしれない
という所まで推測することできます
 
単語の意味をそのまま暗記するのではなく、単語の構造から意味を推測できるようになれば
より深く語学を理解することができるようになります
 
話は変わりますが、このような複合語(二つ以上の単語が合して、別の一つの語を形造ったもの)を教材として使うために
書物の中から単語を探し出すのは、容易な作業ではありません
しかし俳句の場合は、それを簡単に行うことができます
俳句で使われている”季語”には、複合語が沢山あるからです
そのような意味からも、俳句は良い教材になり得るのです
 
 
 
 
②意味の変化を学習
 
例えば、同じ助詞を使っていても、意味が変化することがあります
下の二つの句を比べてみましょう
 
① この冬”を”ここに越すべき冬支度
② 鳴子鳴るあと”を”淋しき大河かな
 
①で使われている「を」は、冬という起点を指す働きがあり、意味は「・・・を」ですが
②で使われている「を」は、軽く前後をつないでおり、意味は「・・・が」となります
 
このように2つの俳句を比較するだけで
同じ音の単語でも、意味の違いがあることを学習することがでます
 
同じ音の単語というのは、もちろん助詞だけではありません
「来る」「繰る」「刳る」なども、同じ音の単語です
 
同じ音の単語の意味の違いを認識することで、子供はことばを使う能力を急速に発達させることができるでしょう
 
 
 
③類義語
 
一句を例題に出し、その中の単語の類義語・連想語を書かせる学習もできます
 
「籠の目にからまり残る貝割菜」
 
例えば、上記の句中にある「からまる」の類義語・連想語を1分間にできるだけ多く書かせるゲームをしてみます
 
ある単語によってイメージできる他の単語というのは、子供の意味理解を反映しているものです
単語の意味をどれだけ理解しているのかを知ることができますし
さまざまな単語の意味を根付かせることにも、有効に働くでしょう
 
 
類義語・連想語で、子供が書いた単語を、元の句の単語と入れ替えてみましょう
 
「籠の目にからまり残る貝割菜」
 
      ↓
 
「籠の目にまきつき残る貝割菜」
 
単語が変わることで、文脈が変化したり、句の印象が変わることを理解できるでしょう
それぞれの単語が持つ、微妙な意味の違いなどを覚えることもできるでしょう
 
 
 
 
 
 
④反対語
 
一句を例題に出し、その中の単語の反対語・対義語を調べる学習もできます
 
「芋虫の周り明るく進みをり」
 
この句の中の「明るい」の反対語を各自に調べさせるのも良いでしょう
 
 
「明るい」の反対語が「暗い」だということが分かったら
その反対語を元の句の単語と入れ替えてみます
 
「芋虫の周り明るく進みをり」
 
      ↓
 
「芋虫の周りを暗く進みをり」
 
 
意味が反対になることで、文脈が変化したり、句の印象が変わるはずですし
そのような変化を認識するなかで、語彙力はさらに強化されて行くでしょう
 
 
 
⑤文体
 
文体というのは文章の様式で、口語体、文語体、和文体、漢文体、である体、ですます体、などがあります
特に俳句の場合、口語体と文語体の違いを比較するのに教材にしやすいでしょう
 
口語体の俳句
「じゃんけんで負けて蛍にうまれたの」
 
文語体の俳句
「蛍火や手首細しと掴まれし」
 
数十行にも及ぶ例文で比較するよりも、俳句を2つ並べて比較した方が
子供にとっても理解がしやすいはずです
 
 
 
 
 
 
 
■文法の理解
 
子供たちの文法力は、日常会話の中である程度身についてしまうため
現在の小学生の国語教育において、文法の系統的な指導はあまり重視されません
そのため低学年から高学年になっても、文法力そのものが急激に発達することはありません
ただ、だからといって、全ての子供が文法を正しく使えるているのかというと、そのようなことは決してありません
小学生の書いた文章をみてみると、明らかな文法の誤りが至る所に見受けられます
 
ですから、小学生の早い時期から文法力を鍛えることはとても大切なこととなります
 
文法力を鍛える一つの方法として、俳句を作ることはとても良い学習方法になるでしょう
俳句はわずか十七音に言葉を詰めるため、一音の文法の間違いで、まったく意味が変わってしまうからです
自分の言いたいことを正確に表現するために、必ず文法を理解しなければいけなくなってくるのです
 
つまり、俳句を作ることがそのまま”文法能力を身につけること”に繋がるのです
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

タイトルとURLをコピーしました