俳句というのは、意味を伝えるものではないと言われます
つまり
“風が吹いたから”桜が散った
“コスモスが揺れていたから“寂しく感じた
という「○○だから、△△になった」ということを、言わないということです
このようなことをいくら言ってみても、読者には良い俳句だな、とは思われません
風が吹いたら桜が散るのは当たり前でしょ?
コスモスが揺れて寂しかったんだ。へぇ。
そのようにしか、受け取ってもらえません
俳句で必要なことは、その時作者が感じた思いを、読者にも思い出させることです
桜が散って儚く感じたのなら、桜は儚く散っている様子を書く。それによって読者は、作者がそのときに感じた儚さを追体験し
「あぁ、この俳句を読むと儚く感じるな」
「昔、桜の下で儚い体験があったな。あれを思い出すな」
と感じて
あ、この俳句好きかも。となるのです。
つまり共感できる作品と言うことです
では具体的に、どのようにすれば、儚く桜が散る様子や、寂しくコスモスが揺れる様子を、俳句で書けるのでしょうか?その方法を説明していきます
まず、桜が散って儚く感じ、それを俳句で詠みたいのだとしたら
その出来事があった瞬間を思い出すことです
桜が散った瞬間、なぜあなたは儚く感じたのか?
それを思い起こして、俳句に書き込むのです
桜が夕日を浴びながら散ったので、儚く感じたのかもしれません
桜の花が、ただ一枚散ったので、儚く感じたのかもしれません
はたまた、桜が散った瞬間に、むかし同じ景色の中で、親友との別れを経験したことを思い出したのかもしれません
いずれにせよ、その瞬間に“儚く”感じさせた何かがあるはずです
それを、そのまま詠むのです
夕日浴び 桜散りゆく ばかりかな
夕さりに 桜一片 散りにけり
など、その時あなたに“儚さ”を感じさせた何者かを見つけて、俳句に詠み込みましょう
どうしても、儚く感じさせたものが何なのか分からない場合は、次の方法で
儚い感じを表現させることもできます
一句の中に、「桜」と「儚さを連想させる単語」の二つの単語を入れるのです
桜そのものにも、日本人は少なからず“儚さ”を感じますが、10人がいて10人全員“儚さ”を感じるわけではありません。ですから、もうひとつ「儚さを連想させる単語」を加えることで、より確実に一句の中から“儚さ”を感じさせるようにするのです
「儚さを連想させる単語」は、考えればいくつかは出てくると思います
どうしても思い浮かばないときは、こちらのサイトで探してください
連想される単語が、一瞬で検索できます
「連想類語辞典」
俳句では、作者が感じた思いを、読者にも思い起こしてもらうように作ることが大切だということです
一つ俳句を作ったら、必ず
「この俳句を読んだ人は、わたしと同じ気持ちを思い浮かべるだろうか?」と
考えてみることも大切でしょう