「蟷螂」の季節ごとの季語

四季で見られる季語

俳句では「蟷螂」といえば秋の季語ですが、蟷螂はほかの季節でも見ることができます
ここでは、それぞれの季節の蟷螂と、その意味を紹介しています
俳句作りの参考になさってください

秋の蟷螂

蟷螂(かまきり)、蟷螂(たうらう)、とうろう

かまきり科の昆虫。頭は三角で、胸部は細く腹はふくれ、鎌(かま)状の前あしで他の虫を捕らえて食う

かりかりと蟷螂蜂の皃を食む 山口誓子山口誓子の句集(Amazon) >>
墜ち蟷螂だまつて抱腹絶倒せり 中村草田男中村草田男の句集(Amazon) >>
なすことも無く蟷螂の構え居り 中川芳子 - 




鎌切(かまきり)

蟷螂のこと。「鎌を持ったキリギリス」という意味で「鎌切」が使われることがある



斧虫(おのむし)

カマキリの別称。相手がどんなに強くてもカマキリが斧に似た前足をあげて立ち向かう様から


いぼむしり

カマキリの別称。カマキリで疣(イボ)をさすれば消失すという噂がある

いぼむしり勝手に涙が出て困る 伴場とく子 - 
いぼむしり言葉尽くして疎まれし 浅生圭佑子 - 
征アラブ大将軍はいぼむしり 夏石番矢夏石番矢の句集(Amazon) >>




いぼじり

疣毟とも書く。カマキリの古名。「いぼむしり」の変化した「いぼうじり」の「う」の無表記にしたもの


祈り虫(いのりむし)

両腕をあわせ折りたたむ姿勢が祈りの手。下半身を覆う翅が、僧侶の長いローブに見えることから


冬の蟷螂

蟷螂枯る(とうろうかる、たうらうかる)、枯蟷螂(かれとうろう、かれたうろう)

蟷螂は、あたりが枯れゆくに従って保護色の枯葉色に変わってゆく
しだいに生気もなくなりやがて死に至る。この様態を蟷螂枯るという
「枯る(かる)」は「枯れる」の文語形

落武者の意思持ち蟷螂枯れていく 川辺幸一 - 
待つてゐる開かず踏切枯蟷螂 増田豊子 - 
手に余る未完の盆栽枯蟷螂 星野光二星野光二の句集(Amazon) >>
蟷螂の枯れて矜持を残したる 池田暎子池田暎子の句集(Amazon) >>



夏の蟷螂

蟷螂生る(かまきりうまる)

樹の枝に産みつけられた卵が五月頃孵化し、あまたの子カマキリが生れること
「生る(うまる)」は「生まれる」の文語形



蟷螂の子(かまきりのこ)、子蟷螂(こかまきり)

孵化したばかりのカマキリの子ども

まぎれ込む風が残せし子蟷螂 加藤瑠璃子加藤瑠璃子の句集(Amazon) >>
内宮に流れ着きけり子蟷螂 大類準一 - 



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