「甘茶」と子季語の意味

季語と子季語のそれぞれの意味

俳句を詠む際、季語の選び方に迷ったことはありませんか?歳時記には主季語は詳しく書かれていても、子季語の意味が曖昧で困ることも。このページでは、子季語の意味もしっかり解説しているので、初心者の方でも安心して俳句作りに挑戦できます。


「甘茶」の季語

下の表では、一番上の「甘茶」が主季語、その下に並んでいるものが子季語になります。
子季語は、主季語の関連語、という考えで大丈夫です。

甘茶【あまちゃ】灌仏会で、花御堂のなかにまつられた釈迦誕生像に、注ぎかける湯
仏の産湯(ほとけのうぶゆ)甘茶の別称。お釈迦さまが誕生した時に、甘露の雨を産湯にしたという故事から。
五香水(ごこうすい)灌仏会で、釈迦誕生像に、注ぎかける五種の香料を加えた五色の香水
甘茶仏(あまちゃぶつ)四月八日の花祭りに甘茶をそそがれる仏。釈迦誕生像のこと。
甘茶寺(あまちゃでら)京都最古の禅寺、臨済宗大本山建仁寺
灌仏(かんぶつ)釈迦の誕生を祝う仏教行事
灌仏会(かんぶつえ)釈迦の誕生を祝う仏教行事
浴仏会(よくぶつえ)灌仏・灌仏会のこと
浴仏(よくぶつ)灌仏・灌仏会のこと
五色の水(ごしきのみず)青・黄・赤・白・黒の5種の色をした水。灌仏会に仏の頭上にそそぎかける
五色水(ごしきみず)青・黄・赤・白・黒の5種の色をした水。灌仏会に仏の頭上にそそぎかける

季語の選び方、使い方のポイント

灌仏と浴仏について

灌仏と浴仏は、細かく言うと次の違いがあります

灌仏: お釈迦様の誕生に際し、龍が天から甘露を注いだという故事に基づき、仏像に甘茶をかけて清めること。
浴仏: お釈迦様が川で沐浴したという故事に基づき、仏像を清めること。

「灌仏」は、天上からの甘露をイメージし、荘厳で華やかな情景を描き出すのに適しています。一方、「浴仏」は、地上の水をイメージし、静かで内省的な情景を描き出すのに適していると言えます。

宗派の違いによっても、灌仏と浴仏の意味合いが微妙に異なる場合があります。
歳時記の行事の季語は、このように単純な言葉の意味だけでは説明できないことがあるので、よく調べてから使うことが重要になります。

関連する俳句

いただいてくちびる甘き五香水   上田五千石
くろがねの御身甘茶の行に耐ふ   平畑静塔



甘茶を使った俳句にはこのようなものがあります。俳句作りの参考になさってください。

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