俳句を作るとき、季語は作品の要とも言えます。しかし、歳時記には主季語が主に解説されており、子季語については不明な点も。このページでは、初心者の方でも安心して俳句を詠めるように、子季語の意味も丁寧に説明しています。
「伊勢参」の季語
下の表では、一番上の「伊勢参」が主季語、その下に並んでいるものが子季語になります。
子季語は、主季語の関連語、という考えで大丈夫です。
伊勢参【いせまいり】 | 伊勢神宮に参拝すること。また、その人 |
伊勢参宮(いせさんぐう) | 伊勢神宮に参拝すること |
伊勢詣(いせまいり) | 伊勢神宮をお詣りすること |
伊勢講(いせこう) | 伊勢参宮を目的とした講のこと |
参宮講(さんぐうこう) | 伊勢講と同じ |
抜参(ぬけまいり) | 親や主人、村役人などに無断で家を抜け出し、伊勢神宮に参拝すること |
御蔭参(おかげまいり) | 伊勢信仰が広まり、間欠的におこった大群衆の伊勢参り。江戸時代に60周期で起こったとされる。 |
お蔭参(おかげまいり) | 御陰年に行なわれる伊勢参宮 |
季語の選び方、使い方のポイント
伊勢参について
伊勢参には、伊勢講、抜参、御蔭参など、様々な子季語が存在します。これらの季語は、江戸時代など、交通が不便で伊勢神宮への参拝が容易ではなかった時代に、人々が工夫を凝らして参拝を行っていた様子を表しています。
- 伊勢講: 複数人で費用を出し合い、代表者が伊勢神宮へ参拝する共同の組織のことです。
- 抜参: 主人の許可を得ずに、若者などがこっそり伊勢神宮へ参拝することです。
- 御蔭参: 60年に一度の「お蔭年」に、大勢の人々が伊勢神宮へ参拝することです。
これらの季語は、現代の私たちにとっては馴染みの薄いものかもしれません。歳時記によっては、これらの言葉の意味が詳しく解説されていない場合もあります。しかし、過去の俳句作品の中には、これらの季語を用いて、当時の社会状況や人々の信仰心を表現したものも多く見られます。
現代においては、交通が発達し、誰でも気軽に伊勢神宮へ参拝できるようになりました。そのため、これらの季語を使う機会は少なくなっているかもしれません。しかし、過去の俳句作品を鑑賞したり、俳句を作る上で、これらの季語を知っていることは、より深い理解につながると考えられます。
これらの季語は、単なる言葉ではなく、当時の社会や文化を映し出す鏡のようなものです。過去の作品を紐解く鍵として、これらの季語を大切に守り伝えていくことが重要です。
関連する俳句
父母ありし日の美しき伊勢参り 冨松寛子
落花踏み鳥の声浴び伊勢参り 中山静枝
伊勢参を使った俳句にはこのようなものがあります。俳句作りの参考になさってください。
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