俳句を作るとき、どこに季語を置くか迷いますよね。実は、季語は音の数によって置きやすい場所があります。
特に1音の季語は、置き方を工夫すると俳句がぐっと作りやすくなります。
9音の季語の置く場所
9音の季語(例:泰山木の花、蛙の目借時)は、俳句に収めるのが非常に難しいと感じるかもしれません。しかし、配置する場所をあらかじめ決めておくと、ぐっと作りやすくなります。
9音の季語は「句の最初か最後」に置くと作りやすくなります。
どちらに置くかは、実際に声に出して読んでみて、リズムの違和感が少ない方を選ぶと良いでしょう。
例として「泰山木の花(たいさんぼくのはな)」を見てみましょう。
句の最初に置く場合
「たいさんぼ くのはな〇〇〇 〇〇〇〇〇」と区切られます。
句の最後に置く場合
「〇〇〇〇〇 〇〇〇たいさん ぼくのはな」と区切られます。
多くの人が後者の「〇〇〇〇〇 〇〇〇たいさん ぼくのはな」の方が、自然なリズムに感じられるはずです。
「蛙の目借時(かわずのめかりどき)」でも見てみましょう。
句の最初に置く場合
「かわずのめ かりどき〇〇〇 〇〇〇〇〇」と区切られます。
句の最後に置く場合
「〇〇〇〇〇 〇〇〇かわずの めかりどき」と区切られます。
こちらも、後者の「〇〇〇〇〇 〇〇〇かわずの めかりどき」の方が、自然なリズムに感じられるはずです。
このように、リズムが良い置き場所に置くと、あとは余った部分を埋めるだけに集中できます。
9音の季語を使った俳句
9音の季語を使った俳句を見てみましょう。
句の最初に置く
クリスマスフラワー赤し不思議館 小澤克己
クリスマスカクタス苦き恋もして 大石悦子
イースターホリデーにして橋の上 藤本美和子
句の最後に置く
花街をずかずか天皇誕生日 古川塔子
をさな児に添ひ寝天皇誕生日 椎野千代子
励み合ふことも勤労感謝の日 田中峰雪
勿体なや何もせず勤労感謝の日 青垣和子
9音の季語の紹介
9音の季語の一覧を載せたので、その季語で俳句を作ってみましょう。
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春 |
9音蛙の目借時(かわずのめかりどき)、鞍馬の花供養(くらまのはなくよう)、吉野の花会式(よしののはなえしき)、イースターホリデー(イースターホリデー) |
夏 |
9音沖縄慰霊の日(おきなわいれいのひ)、泰山木の花(たいざんぼくのはな)、玉蜀黍の花(とうもろこしのはな) |
秋 |
9音芝神明祭(しばしんめいまつり) |
冬 |
9音春日万燈篭(かすがまんとうろう)、札幌雪祭(さっぽろゆきまつり)、ダイヤモンドダスト(だいやもんどだすと)、勤労感謝の日(きんろうかんしゃのひ)、正月事始(しょうがつことはじめ)、天皇誕生日(てんのうたんじょうび)、クリスマスカクタス(くりすますかくたす)、クリスマスフラワー(くりすますふらわー) |
新年 |
9音七福神詣(しちふくじんまいり)、新野の雪祭(にいののゆきまつり) |
まとめ
俳句を作るときは、「季語を置く場所」「五七五のリズム」「十七音の文字数」「詠む内容」など、一度に多くのことを考える必要があります。
特に9音のような長い季語の場合、どこに置くかを決めるだけで、俳句作りのハードルがぐっと下がります。
季語を置く場所を先に決めることで、残りの言葉をどこに配置すべきか明確になります。
五七五のリズムも、季語が収まる場所が決まれば、残りの部分を整えるだけで済みます。
このように、季語の場所を先に決めてしまうことで、句作りの迷いが減り、効率よく進められるようになります。
ほかの音数の季語の置く場所(記事リンク)
俳句を作る際、季語の音数によって、最も効果的な配置場所が変わることがあります。
それぞれの音数に合わせた季語の配置方法を、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ、参考にしてみてください。
- 1音の季語は、ここに置くと作りやすい
- 2音の季語は、ここに置くと作りやすい
- 3音の季語は、ここに置くと作りやすい
- 4音の季語は、ここに置くと作りやすい
- 5音の季語は、ここに置くと作りやすい
- 6音の季語は、ここに置くと作りやすい
- 7音の季語は、ここに置くと作りやすい
- 8音の季語は、ここに置くと作りやすい
- 9音の季語は、ここに置くと作りやすい
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