「川床」と子季語の意味

季語と子季語のそれぞれの意味

季語の子季語は、歳時記に掲載されていても、意味が詳しく説明されていないことがあります。間違った意味で使うと、意図しない俳句になってしまうことも…。そうならないために、今回はよく使われる主季語と子季語の意味をまとめてみました。

「川床」の季語

下の表では、一番上の「川床」が主季語、その下に並んでいるものが子季語になります。
子季語は、主季語の関連語、という考えで大丈夫です。


《 晩夏 》

川床【かわどこ】納涼のため川の流れに張り出して設けた桟敷。多く、京都四条近辺の河原に設けるものをいう。
川床(かわゆか)カワドコと同じ。
涼み床(すずみゆか)カワドコと同じ。
川床涼み(ゆかすずみ)カワドコで涼むこと。
納涼川床(のうりょうゆか)納涼のために設けられた川床。
貴船川床(きせんゆか)貴船川の上に設置された川床。
川床座敷(ゆかざしき)川床で、川のよく見える位置に座敷を作ること。




川床について

「川床」は、「かわどこ」や「かわゆか」と読むのが一般的ですが、他の言葉と組み合わせて使う場合、「ゆか」と省略されることがあります。例えば、「川床涼み」は「ゆかすずみ」、「納涼川床」は「のうりょうゆか」と読みます。

このように、川床は読み方が複数あるため、俳句で使う際は、音数が変わるため間違えて使わないことが大切です。


「川床」関連の俳句

「川床」を使った俳句にはこのようなものがあります。俳句作りの参考になさってください。

「川床」の例句

山里の川床を満喫奥座敷 松田和子松田和子の句集(Amazon) >>
つややかな北山材の川床に坐し 松田和子松田和子の句集(Amazon) >>
鞍馬路の靄ささくれて川床仕舞 久染康子久染康子の句集(Amazon) >>


「川床涼み」の例句

箸袋に所書して川床涼み 大澤玲子 - 
川床涼み闇深くなり宴猛る 川井素山 - 
水底の小石ころがる川床涼み 種田果歩 - 


「貴船川床」の例句

貴船川床瀬音はづみに人語消す 鈴鹿野風呂鈴鹿野風呂の句集(Amazon) >>
堰こゆる千変万化貴船川床 荻野照 - 
天蓋の葉風やさしく貴船川床 早乙女信 - 


「川床座敷」の例句

柱なき隅を灯して川床座敷 杉浦典子杉浦典子の句集(Amazon) >>
風を呼ぶ葭の間仕切川床座敷 岡崎伸岡崎伸の句集(Amazon) >>




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季語を選ぶ際には、様々な要素を考慮する必要がありますが、従来の歳時記には子季語の意味が詳しく記載されていないため、適切な季語を選ぶのが難しいという課題がありました。

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