新年の季語に、「米こぼす(よねこぼす)」「若水あぐ(わかみずあぐ)」があります
「米こぼす(よねこぼす)」は、正月に涙を流すと言うことを忌み嫌い、涙を米に見立ててた言葉です
「若水あぐ(わかみずあぐ)」は、初泣きを汲み上げる意味の言葉と説明がされます 1)
ただ、この説明では意味がわかりません
初泣きを汲み上げるとはどういうことなのでしょうか
「俳句季語事典」にも、「若水あぐる」を見つけましたが「新年はじめて泣くこと」としか書かれていません 2)
もう少し「若水あぐ」について、分かりやすい説明が書かれた本があるといいのですが、見つかりませんでした
推測ではありますが
あぐ(上ぐ)は、神様に捧げるなどの意味として
涙を神様に捧げる若水に見立てた、ということでしょうか
仮に「若水あぐる」を使う場合
実際の若水(正月最初の水)を汲み上げる、という意味にもとられてしまうので
はっきり分かるように使ったほうが良いでしょう
下の句は「若水(正月最初の水)を汲み上げる」という意味で使われています
「万戸さらに新まる、若水を汲み上ぐるを、今年の事始めとなす」 3)
どちらで使っているのか分からないと、作品の意味も誤認されてしまいます
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1) 角川書店.(2022).新版角川俳句大歳時記.KADOKAWA.
2) 高橋仁.(昭和9).俳句季語事典.立命館出版部.
3) 菊池貴一郎,鈴木棠三.絵本江戸風俗住来.(1969).平凡社.