「俳句季語よみかた辞典」に「田のむの雁」という季語が紹介されています
意味は「雁を田におけば、思い思いの方に向くこと」とありますが 1)
説明を読んでも、よく分かりません
ここでの「田のむ」は
「田の面(たのも)」が音変化して「田の面(たのむ)」となったものです
意味は、田にいる雁や、田の面におりる雁を指す言葉です
「精選版 日本国語大辞典」にもあるように、和歌などで、多く「頼む」にかけて用いられる言葉です 2)
み吉野のたのむのかりもひたぶるに君が方にぞよると鳴くなる 伊勢物語
「田のむの雁」は、「田の面の雁」とも書くことができますが
そうなると、「田の面の雁(たのものかり)」と読んでしまいます
「頼む」にかけて用いるのでしたら、「田のむの雁」と書いたほうが良いのかもしれません
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1)日外アソシエーツ.(2015).俳句季語よみかた辞典.日外アソシエーツ.
2)小学館.(2006).精選版
日本国語大辞典.小学館.