季語の「草刈笛」とは?

俳句季語よみかた辞典に、「草刈笛」という夏の季語が載っています 1)

意味は「草刈童の吹く笛」と書かれています

 

 

「草刈」は夏の季語

「草刈女」は、草刈をする女ということで「草刈」の関連季語

そうなれば、「草刈童」も、草刈をする童ということで関連季語になるのだとは思います

 

ただ、その草刈童が吹く笛、ということで草刈笛まで季語になると

草刈をしながら被る帽子も、眼鏡も、マスクも無制限に季語でよいのか?という疑問がわきます

草刈に必須の道具であれば分かるのですが、草刈笛とはそのようなものなのでしょうか

 

例えば、職人が複数人で機械を使った草刈をする場合、注意を促すために笛を吹くことがあります

ただ、この季語の意味はそういうことではないと思います

 

草刈童はなぜ、何のために草刈りをしながら笛を吹くのでしょうか?

これが分からなければ、いくら夏の季語の「草刈」という言葉が入っていても、季語としては使いづらいのではないでしょうか

 

ちなみに、この「草刈笛」

「烏帽子折草子」の中で見ることができます

用明天皇が恋のために吹く笛を草刈笛と言って、物語の大事な役割を担っています

 

次の和歌にも見られます

日くれぬと山路をいそぐうなこが草かりぶえのこゑぞさびしき  中務のみこ

みまきのの草かり笛のわらはごゑあなかまとのみよそへてきく   信実

 

昔は、このような珍しい言葉を使った和歌は評価されたようです

現在でいえば、横文字や今年の流行語を使うような感じでしょうか

 

このように「草刈笛」という言葉は見つかるのですが、具体的にどういうものであるのかは分かりません

もう少し具体的に分かれば、季語か、季語に近い言葉として使えるのかもしれませんが・・

 



 

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1)日外アソシエーツ.(2015).俳句季語よみかた辞典.日外アソシエーツ.






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