ここでは、次の二点を記事にしている
①俳句で省略をする理由
②俳句で省略する方法
①俳句で省略をする理由
俳句では、よく省略をしなさいと言われる
省略をした俳句は、鑑賞者の想像の引き金になるから
それを狙って省略をするように言われる
例えば
桜が風に吹かれて揺れている
桜が吹かれた
前者は、最後まで結論を言っているため、それ以上の想像は広がらないが
後者は、吹かれたのだけれど、吹かれた後の想像を、読者が自由にできる
満開の枝が大きく揺れたのかもしれないし、花弁が一斉に舞い散ったのかもしれない
桜が吹かれた瞬間に、自分の背中からも風が吹き抜ける様子を想像する人もいるだろう
俳句は短すぎて何も言えない
だから「わざと省略して言わないことで、その先は読者に想像してもらう」
そんな方法が有効に働きやすい文学とされる
②俳句で省略する方法
「桜が風に吹かれて揺れている」は
「なにが」「どうして」「どうなった」という構造
初心者は大概、この構造で俳句を作ってしまう
このように全部言わないと、読者に分かってもらえないのではないか、と不安に思うから
だが、たいていの場合その不安は思い過ごしになる
言葉が足りなければ、その先は読者が想像してくれるから
だから無理に言葉と詰め込むことは得策ではない
「なにが」「どうして」「どうなった」でも
「いつ」「どこで」「どうなった」でもなんでもそうだけれど
この3段階構造は、すべて2段構造で丁度いい
「なにが」「どうなった」
「いつ」「どこで」「どうなった」
↓
「いつ」「どうなった」
2段構造にするだけで、自然と省略した俳句になる
俳句を使るときに試してみてほしい