季語の子季語は、歳時記に掲載されていても、意味が詳しく説明されていないことがあります。間違った意味で使うと、意図しない俳句になってしまうことも…。そうならないために、今回はよく使われる主季語と子季語の意味をまとめてみました。
「皀角子」の季語
下の表では、一番上の「皀角子」が主季語、その下に並んでいるものが子季語になります。
子季語は、主季語の関連語、という考えで大丈夫です。
皀角子【さいかち】 | マメ科の落葉高木で、高さは15メートルほど。幹・枝には鋭い棘がある。材は細工、さやは漢方薬 |
皀角子の実 (さいかちのみ) | サイカチの花が終わると、雌花には長さ30cmほどの細長く平べったい豆莢がたれ下がる |
皀莢(さいかち) | 皀角子(さいかち)の別称 |
西海子(さいかし) | 皀角子(さいかち)の別称 |
鶏栖子(けいせいし) | 皀角子(さいかち)の別称。漢方生薬名 |
季語の選び方、使い方のポイント
皀角子と皀角子の実について
「皀角子の実」は秋の季語ですが、春には花を咲かせ「皀角子の花」という季語となっています。
「皀角子」とだけ書かれた場合、一般的に秋の季語である「皀角子の実」を指します。これは、「皀角子」というと、実の方がより印象深いとされているからです。
植物の季語には、このような例が他にも多く見られます。
「蜜柑」は実を連想する人が多いので、「蜜柑」とだけ言えば果実を指し、花は「蜜柑の花」と呼びます。
「蓮」は花を連想する人が多いので、「蓮」とだけ言えば花をさし、実は「蓮の実」と呼びます。
ですので、植物の名前だけで、それが花を指すのか実を指すのかを判断する場合、その植物の一般的なイメージが大きく影響します。
しかし、この判断は歳時記によって異なる場合があります。同じ植物でも、ある歳時記では花、別の歳時記では実と、扱いが異なっていることがあります。特に、実も花も同程度の印象がある植物でそのような傾向があります。そのため、確実に意味を伝えたい場合は、「皀角子の実」や「皀角子の花」のように、具体的に部位を明記することがおすすめです。
関連する俳句
さいかちの実の鳴るほどに枯れてゐず 剣持不知火
さいかちやごぼと音して鯉のをり 高須禎子
皀角子を使った俳句にはこのようなものがあります。俳句作りの参考になさってください。
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