俳句の鑑賞文を書くコツ

俳句の鑑賞

学校の宿題、初めての句会、などで俳句の鑑賞文を書くことになったとき、「どうやって書けばいいんだろう?」と悩む人は多いと思います。
私も初めて句会に参加することになったときは、「句会では良かった俳句に対して、各自が「どこが良かったか」を言いますからね」と先輩から言われて「えっ!!今まで俳句の鑑賞なんかしたことないけど・・。やばくない!?」と思い、とても焦った記憶があります。

そんな私が、今までに何百回と句会に参加して、鑑賞をしてきた中で身についた鑑賞方法を、このブログでは、小学生から大人まで、誰でも分かるように解説していきます。

俳句は、たった17文字の中に、季節の風景や作者の心がぎゅっと詰まっています。
そんな俳句を鑑賞し、感じたことを素直に言葉にするだけで、素敵な鑑賞文になります。


もし、ブログの中で分かりずらい説明があれば、すぐに修正します。記事の一番下にコメントをください。




「感想」と「鑑賞」の違い

鑑賞文を書く前に注意点があります。
「感想」「鑑賞」の違いを、最初に理解しておきましょう。
ここを理解していないと、「鑑賞文」とは言えないものを提出してしまう可能性があるからです。

「感想」は、作品を読んだときに直感的に感じることです。「良かった、感動した、キレイだった」などです。
「鑑賞」は、作品が表現しようとするところをつかみ取って、その良さを味わうことです。「この作品は、○○の部分で、命の儚さを伝えるように作っているように感じた」などです。

例えば下の俳句を読んだとき

例句

波音に 時折消える 蝉しぐれ

「寂しそうな感じを受けました」というのは、ただの「感想」です。「鑑賞」ではありません。
学校の宿題や、句会などで、必要とされているのは「感想」ではなく、「鑑賞」です。
ここは、必ず理解しておきましょう。

私自身も、句会に参加した最初のころは、「感想」しか言えず、先輩からはよく注意を受けました。

なぜ「感想」がいけないか、というのは、いま考えてみると良くわかります。

先ほどの俳句

波音に 時折消える 蝉しぐれ

について、皆が感想で良いとしたら、極端な話、次のようなことも生じます。

Aさん「寂しく感じました」
Bさん「寂しく感じました」
Cさん「寂しく感じました」
Dさん「寂しく感じました」

そして、100人の感想が、全部「寂しく感じた」となることもあるでしょう。
果たして、このような感想を述べあうことに意味があるでしょうか。ないですよね。


「寂しく感じた」であれば、なぜその作品が、私に「寂しく感じさせたのか?」を考えて、言葉にします。

これであれば、100人が100人なりの考えを発表することになります。
お互いがお互いに感じたことを聞くことで、「そういう鑑賞もあるのか」と、新しい発見につながり、考え方をアップデートすることができます。

「感想」を言うのではなく、「鑑賞」を言うことで、そこにいる人たち全員にメリットが生じます。
だから、私たちは「鑑賞文」を書くのです。


では、さっそく「鑑賞文」を書くために、どうやって俳句を「鑑賞」すればいいのか、ポイントを紹介します。

鑑賞の前に、俳句の情景を知る

例えば、先ほどの俳句

波音に 時折消える 蝉しぐれ

この情景は分かりますか?

情景が分からないと、そもそも鑑賞はできないので、情景が分からない場合は確認しましょう。
宿題で、「この俳句の鑑賞文を書きなさい」と言われても、俳句が難しすぎて情景が分からないこともあります。
そんなときは、AIに情景だけ確認しましょう。


俳句を入力した後に「この俳句の情景を教えて」と聞けば、教えてもらえます。(情景は鑑賞ではないので、AIを利用しても大丈夫です。)
今回は、このように教えてくれました。

波の音が響く海岸近くで、盛んに鳴き立てる蝉の声(蝉しぐれ)が、寄せては返す波の音にかき消されてはまた聞こえてくる。


目の前の俳句の情景を知るのは、鑑賞の基本です。
情景が分からないような難しい俳句は、AIに助けてもらって、情景だけ知っておきましょう。



4つの鑑賞文のポイント

情景がわかったら、それをもとに鑑賞文作りを始めます
ここでは、鑑賞しやすいポイントを4つに絞って、それぞれの方法を紹介します


鑑賞文作り、ポイント1
「自分がその場所にいたら、何を感じるか」を想像しましょう。
それが鑑賞文になります。


「自分がその場所にいたら感じること」で書く

波音に 時折消える 蝉しぐれ

この俳句の情景は、下の通りでした。

波の音が響く海岸近くで、盛んに鳴き立てる蝉の声(蝉しぐれ)が、寄せては返す波の音にかき消されてはまた聞こえてくる。

「自分がその場所にいたら、何を感じるか」想像してみてください。

何か儚いな・・・
精一杯、短い命の中で鳴いているのに、大自然の波音に声がかき消されてしまって・・・

など、あると思います。

この感じたことを鑑賞文にします。
具体的には、あなたが感じたことを、「作者が伝えたかったことは、これ!」といった形で鑑賞文にします。
文章としては、「作者は「○○(あなたが、いま感じたこと)」を伝えていると鑑賞した」
というように書き直します。

実際に書いてみます。

作者は、「短い命の中で精一杯鳴く蝉の声を、大自然の波音が消してしまう。そこに感じる命の儚さ」を、作品は伝えていると鑑賞しました。


自分がその場所にいたら感じること
これを、作者の伝えたいことにして書く!
これで鑑賞文ができました。
簡単ですね。

鑑賞文作り、ポイント2
続いては、俳句に必ず入っている「季語」から、鑑賞文を書いてみます。

「季語」を探して書く

俳句には必ず「季語」と呼ばれる言葉が含まれています。
季語があることで、詠まれている季節や情景を深く想像することができます。

先ほどの俳句を例題にします

波音に 時折消える 蝉しぐれ

この句の季語は「蝉しぐれ」です。
ちなみに、季語が探せない人は、またAIに助けてもらいましょう。
「この俳句の季語は何ですか」と聞けば、答えてくれます。

AI回答

この俳句の季語は「蝉しぐれ(せみしぐれ)」です。
季節は「晩夏(晩い夏)」に分類されます。
「蝉(せみ)」そのものも夏の季語ですが、「蝉しぐれ」になると、まるで時雨(しぐれ:一時に降ってはやむ秋の雨)の降る音のように、数多くの蝉がいっせいに鳴き立てる様子を表す言葉になります。夏の真っ盛りのエネルギーを感じさせると同時に、どこか行く夏を惜しむような、哀愁のある響きを持った美しい季語です。

素晴らしい解説です。

「蝉しぐれ」という季語だけからも、次のことが分かります。
俳句が詠まれたのは夏の暑い日。
時期は、夏の終わり頃。
数匹の鳴き声ではなく、さんざめくような鳴き声。

俳句の中の「蝉の声が波音に消える」という情報から、次のことも分かります。
蝉の声よりも、大きな波音がしている。
場所は、防風林や崖上の木の茂った所か。

季語の意味が分かるだけで、より情景が深くなりますね。

この情報を得たうえで、もう一度「自分がその場所にいたら、何を感じるか」想像してみてください。

自然の力強さを感じる・・・
何億年と続く波音と、1週間の命の蝉の声が、夏の太陽の下でせめぎあっているよう・・・

この感じたことを
「作者は「○○(あなたが、いま感じたこと)」を伝えていると鑑賞した」
の形で書き直します。

作者は、「何億年と続く波音と、1週間の命の蝉の声が、夏の太陽の下でせめぎあう様子から、人知を超えた自然の力強さ」を、伝えていると鑑賞しました。


「季語」は、俳句の骨格とも言われています。
作者は、自分の心情を「季語」に重ねることもあります。
そんな重要な「季語」の意味を調べると、より、作品で表現したかったことを感じることが出来ます。

「季語」の意味を調べて、季節や情景をより深めて鑑賞をしてみてください。


鑑賞文作り、ポイント3
実は、「五感」を意識して鑑賞文を書くことも出来ます。


「五感」を働かせて書く

五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)を働かせて鑑賞文をかくことも有効です。

作者は何かに感動をして、その感動を俳句で表現します。
人が何かに感動をするとき、その「何か」を、必ず知覚しています。

「○○を見て感動した」
「聞いて感動した」
「触れて感動した」
「味に感動した」
「香りに感動した」
と言うように。

だからこそ、その五感を想像することで、作者の感じた感動、作品で表現しようとしたことに、近づくことが出来ます。

先ほどの俳句を例にします

波音に 時折消える 蝉しぐれ

この俳句の作られた場所に立ったとしたら
「何が見がれますか?」「何が聞こえますか?」「何が肌に触れますか?」

見る : 白波が砕け散る様子。真っ青な空。真っ青な海。樹々が揺れる様子。
聞く : 波の崩れる激しい音。多くの蝉が鳴いている声。激しい風の音。
触る : 肌を射す日差し。頬に打ち付ける潮風。はためく服。
香る : 潮の香り。樹々の香り。草の香り。

俳句に書かれている物より、多くの物が五感で想像できますよね。

このように、五感を刺激する大自然の中に「自分がいたとしたら、何を感じますか?」
想像してみてください。

波の崩れる激しい音と、さんざめく蝉の声がせめぎあっていて、雄大な自然を感じる・・・
その自然の中に、自分が立っていて、痛いほどの真夏の太陽を浴びている・・・
波、蝉、太陽ほどの力を、まったく私は持っていないな・・・・

この感じたことを
「作者は「○○(あなたが、いま感じたこと)」を伝えていると鑑賞した」
の形で書き直します。

作者は、「激しい波音と、さんざめく蝉の声がせめぎあう、雄大な自然の中に立ち、空から激しい太陽の光を浴びている。この瞬間に人間の力の弱さを感じた」そのようなことを、作品で伝えていると鑑賞しました。

五感を働かせて作品を想像することで、作品の中には無い言葉、「太陽の光」や「人間の力」といった情景も得ることができます。

五感を働かせて俳句を鑑賞することで、より深く、リアリティのある鑑賞文になります。


鑑賞文作り、ポイント4
続いては、「言葉の選び方」に注目して、鑑賞してみましょう。

「言葉の選び方」に注目して書く

俳句は、わずか17音で作られています。
そのため、言葉が少し変わっただけで、全く違う印象の俳句になります。
わざと言葉を変えることで、逆に、作者の言葉の選び方に注目できます。
それは、作者の意図を探ることにもつながります。

先ほどの俳句を例にします

波音 時折消える 蝉しぐれ

この俳句の
「波音に消える蝉しぐれ」を「波音が消す蝉しぐれ」にしてみます。

波音 時折に消す 蝉しぐれ

雰囲気は変わりますよね。
「波音に消える」のか・・・
「波音が消す」のか・・・

前者は蝉が主になっていますが、後者は波が主になっていて、波が蝉の声を消すという擬人的な表現になっています。
ここで考えたいのは「作者がなぜその言葉を選んだのか」です。
その言葉を選んだ理由も鑑賞文になります。

あなたが、もし作者と同じく、「波音に消える」という言葉を選ぶとしたら、その理由は何ですか?

「波音が消す」だと、あまりに擬人的・・・
自然の情景を読む場合、擬人的な表現は違和感を生む・・・

このように感じたとしたら、それを鑑賞文にします。

この俳句は「波音が消す蝉しぐれ」としても作ることができたけど、「波音に消える蝉しぐれ」で作っている。
「波音が消す」だと、あまりに擬人的。今回の俳句のように、自然の情景を読む場合、擬人的な表現は違和感を生む。作者もそのように感じながら言葉を選んだのだろうか、と鑑賞しながら感じた。

言葉の選び方に注目すると、「作者の、俳句を作っている最中の心情」に思いをはせた鑑賞文になります。
人とは違う視点の鑑賞文です。


作品の中の助詞を入れ替える場合、下の助詞は入れ替えやすいですよ。
「て・に・を・は」
「と・より・から・で」
「が・から・ば」


試しに、この助詞でも入れ替えをしてみましょうか。

波音 時折消える 蝉しぐれ(波の音によって消される蝉しぐれ

波音 時折消える 蝉しぐれ(波の音と、時々消える蝉しぐれ)

俳句の空気感が変わりますね。
このようにして、言葉を変えて作品を見比べます。
そして、「作者がなぜその言葉を選んだのか」を考えてみます。
そこで出た考えが、あなただけの鑑賞文です。


この方法・・
俳句を作っている人は、ご自身の俳句作りの能力を高めてくれます。
「なぜ、作者はこの言葉を選んだのだろう?」という問いかけに答えを出していると、自分の作品作りの際の言葉選びで、役立つようになるからです。



もう少し深く鑑賞するには

今回は、俳句初心者でもすぐに実践できる鑑賞方法をご紹介しました。
「もう少し踏み込んで、深みのある鑑賞文を書いてみたい!」という方のために、ここからはクオリティをぐっと高める3つのポイントを解説します。

一般的に、完成度の高い鑑賞文は「①作品の内側」「②作品の外側」「③他との比較」という3つの要素で構成されています。

① 作品の内側(技法・構造・表現・メッセージ)
作品そのものの構造や、作者が込めたメッセージを読み解きます。

  • 技法・構造の視点: 切れ字、比喩、対比、擬人化、遠近法、取り合わせ、リフレイン、上五・中七・下五の使い方などに注目します。
  • これまでの振り返り: 今回ブログで紹介した「その場にいたら感じること」「季語・五感で感じること」は、このなかのメッセージにあたります。また「言葉の選び方」への注目は、表現方法を書いていたことになります。

② 作品の外側(歴史・時代背景)
作者の生きた時代や、句が詠まれた当時の歴史的背景を調べ、それが作品にどのような影響を与えているかを考察します。

③ 他との比較(作家・作品による違い)
その作者の「他の作品」と比べたり、「同じ時代に活躍した別の俳人」の作品と比較したりすることで、その句ならではの独自の特徴や価値を浮き彫りにします。

これまでご紹介した「①の内側(メッセージや表現)」に加えて、「②外側の背景」や「③他との比較」といった新しい視点を1つプラスするだけで、鑑賞文の深みは驚くほど増します。ぜひ挑戦してみてください!



俳句鑑賞文はここで見れる

俳句鑑賞文ですが、「実際の鑑賞文を参考に読みたい」という人もいると思います。
新聞や本で読めるので、一部を紹介します。

全国紙

各全国紙の新聞には、それぞれ週に1回、俳句の投稿コーナーが設けられています。そこでは第一線で活躍する著名な俳人たちが、その週に全国から集まった応募作品の中から優れた句を厳選し、贅沢な鑑賞文を寄せています。

各選者による鑑賞文は、およそ100文字というコンパクトな文字数で綴られているのが特徴です。短いからこそ、余計な肉付けを削ぎ落とし、その作品の「肝(核心)」となる部分だけがピンポイントで言語化されています。

気軽に読める手軽さでありながら、エッセンスが凝縮されているため、「短文で的確に魅力を伝える書き方」の手本として、非常に参考になります。
なお、主要各紙の俳句コーナーは、それぞれ以下の曜日に掲載されています。

日曜日:東京俳壇、朝日俳壇
月曜日:読売俳壇、毎日俳壇
木曜日:産経俳壇
土曜日:日経俳壇


鑑賞本

朝日俳壇

朝日俳壇
著者名 長谷川 櫂
出版者 朝日新聞出版

朝日新聞には週に1回、公募句を扱う俳句コーナー(朝日俳壇)が設けられています。

紙面には、厳選のうえ入選した俳句とともに、第一線で活躍する選者による鋭い鑑賞文が掲載されています。

特筆すべきは、4人の異なる選者によるバラエティ豊かな鑑賞文に毎週触れられる点です。
選者それぞれの「鑑賞の視点」や「言葉の紡ぎ方(文章の書き方)」を一堂に比較できるため、俳句の奥深さを学ぶための非常に優れた教材(参考書)になります。



新折々のうた 1

新折々のうた 1
著者名 大岡 信
出版者 岩波書店
出版年月 1994.10

本シリーズ(全1〜8巻)では、選び抜かれた俳句や短歌の美しい鑑賞文を堪能できます。
著者(大岡信氏)は、朝日新聞朝刊の1面にて、長年にわたり詩歌の鑑賞コラムを連載されていました。

私自身、中学生のときに初めてそのコラムに触れ、「世の中にこんなにも綺麗な文章があるのか」と激しい感銘を受けたことを今でも鮮明に覚えています。
取り上げられている俳句や短歌そのものが素晴らしいのはもちろん、それらに寄り添う鑑賞文もまた、自然と透き通るような美しさをまとっています。

秀句・秀歌の味わい方はもちろん、日本語として極めて美しい「文章の書き方」のお手本としても、時代を超えて深く参考になる名著です。


夏井いつきの世界一わかりやすい俳句鑑賞の授業

夏井いつきの世界一わかりやすい俳句鑑賞の授業
著者名 夏井 いつき
出版者 PHP研究所
出版年月 2022.1

本書では、一つの作品をパーツ(助詞の使い方、全体の構造、切れ字など)にまで細かく分解し、丁寧に読み解いていく「鑑賞の手順」が紹介されています。

多くの俳句を並べて一つずつに鑑賞文を添えている一般的な本とは異なり、本書は一作品の助詞の使い方にまで深く踏み込んでいるのが特徴です。
これにより、俳句の選者が応募作品のどこに着目し、どう思考を巡らせて選んでいるのか、その舞台裏をリアルに疑似体験できます。

他者の作品を鑑賞する際の眼を養えるのはもちろん、自分自身の俳句作り(推敲や言葉選び)の確かな指針としても大いに参考になるはずです。

俳句必携1000句を楽しむ

俳句必携1000句を楽しむ
著者名 宮坂 静生
出版者 平凡社
出版年月 2019.5

本書には1000句という圧倒的な数の俳句が掲載されており、非常に読みごたえがあります。

1作品あたり約250文字の鑑賞文は、作品が描く情景(景)に6割、作者の背景に2割、技法に2割というバランスで構成されているのが特徴です。

解説では、句に使われている言葉のさまざまな「蘊蓄(うんちく)」についても丁寧に触れられています。
そのため、一読しただけでは気付けなかった景色の広がりが、鑑賞文を読むことで一気に目の前へ浮かび上がってきます。
「あらかじめ多様な知識を持っていれば、作品に出会ったその瞬間に、ここまで深い解釈ができるのだ」という新鮮な感動を味わえる一冊です。

現代俳句ノート 名句を味わう

現代俳句ノート 名句を味わう
著者名 高柳 克弘
出版者 ふらんす堂
出版年月 2024.6

本書では、水原秋櫻子、飯田蛇笏、中村草田男、飯田龍太、中村汀女、西東三鬼、石田波郷、秋元不死男、芝不器男、さらには夏目漱石にいたるまで、時代を彩る26名の名俳人たちの作品をじっくりと鑑賞しています。

最大の特徴は、言葉選びや着眼点といった「作品の技法の巧みさ」に多くの文字数を割いて解説している点です。 1作品あたりの鑑賞文は約300文字。
その構成は、作品が描く情景(景)に2割、作者の背景に1割、そして残りの7割を「技法」の分析に費やしています。

どのような視点、技法、構造によって優れた俳句が生まれるのか――。
その具体的なプロセスが深く理解できる、創作の参考書としても最適な一冊です。



夏井いつきの超カンタン!俳句塾 才能アリ!俳句の作り方。

夏井いつきの超カンタン!俳句塾 才能アリ!俳句の作り方。
著者名    夏井 いつき
出版者    世界文化社
出版年月              2016.7

本の中の企画として、優れた俳句25句を厳選し、それぞれに選評(鑑賞文)を執筆しています。
本来「選評」とは、数ある投句の中から選んだ作品を批評することですが、広い意味では「作品の鑑賞」と変わりません。そのため、ここではどなたでも楽しめる鑑賞文としてご紹介しています。

この本の解説の特徴は、季語や言葉そのものから広がる「映像の大きさ(スケール感)」に着目している点です。これらの鑑賞文を読むことで、季語の使い方や言葉選びのコツを学ぶことができるはずです。



最後に

簡単な鑑賞の方法を紹介してきました。
鑑賞文を書くためのヒント、一つくらいは得られましたか。
もし、ヒントが一つでも得られて、参考になったのであれば、俳句の鑑賞に困っている初心者のお友達にも、この記事を紹介してあげてください。お友達も、喜ぶと思います。

もし、ぜんぜん記事の意味が分からなかった、などあれば、下のコメント欄にコメントを残してください。皆さんに有益な記事になるように、直したいと思います。

鑑賞文を書くことは、自分自身と向き合い、世界を深く理解する素晴らしい機会です。
また、あなたの俳句作りをしているのでしたら、その能力を確実に高めてくれます。
鑑賞文は嫌だな、と思うのではなく、自分自身を高めるものだと思い、楽しんでください。




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