俳壇への扉を開く鍵! 選者作品で入選確率UP

俳句大会・教室

前の記事では、全国紙への俳句の応募方法などについて説明しました >>>

全国紙の俳壇への投稿、なかなか入選しなくて悩んでいる人も多いのではないでしょうか?
実は、入選の鍵は、選者の作品の中に隠されているかもしれません。

全国紙の俳壇の狭き門を突破するためには、選者の傾向を把握することが大切です。どの選者が自分の句に共感してくれるのか、事前に作品を読んで分析することで、入選の可能性をぐっと高めることができます。

なぜ、選者の作品を見る必要があるのか?

俳句は奥が深く、人それぞれ表現の仕方が異なります。選者も例外ではありません。ある選者は自然を題材にした句を好むかもしれませんし、別の選者は人間の心の動きを表現した句を好むかもしれません。
自分の句に合う選者を探すことで、あなたの作品がより深く理解され、評価される可能性が高まります。

選者作品の見方

選者の作品を見るときは、次のポイントを意識するとよいでしょう。

季語の使い方: どの季語を好むのか、季語の選び方や置き方に注目しましょう。
言葉の選び方: 古典的な言葉遣いを好むのか、現代的な言葉遣いを好むのか、言葉の選び方の傾向を掴みましょう。
テーマ: 自然、人間、社会など、どのようなテーマの句を多く扱っているのか、テーマの広がりを把握しましょう。
表現技法: 特定の表現技法を好んで使っているのか、表現の仕方に注目しましょう。

選者作品はどこで見つけられる?

結社誌: 選者が主宰となっている俳句雑誌を購読すると、選者の最新の作品が確認できます。
インターネット: ウェブサイトやSNSで、選者の作品を公開している場合もあります。
句集: 選者の句集を購入して、じっくりと作品を読み込むのも良いでしょう。下に各新聞社の選者と句集を紹介しているので参考になさってください。

まとめ

選者の作品を分析することは、ただ単に「誰に選んでもらいたい」というだけでなく、自分の俳句の表現方法を見つめ直す良い機会にもなります。

あなたの句、誰に見せたいですか?

選者作品を参考に、あなたにぴったりの先生を見つけて、俳句の世界を広げていきましょう。

全国紙の俳壇の選者句集

作品紹介句集紹介
東京新聞







石田郷子
大海を見てきし目刺焼きにけり
来ることの嬉しき燕きたりけり
背泳ぎの空のだんだんおそろしく


                

     
石田郷子

小澤實
くわゐ煮てくるるといふに煮てくれず
ゆたんぽのぶりきのなみのあはれかな
芋虫のまはり明るく進みをり




小澤實

読売新聞







矢島渚男
ああといひて吾を生みしか大寒に
さびしさや撞けばのどかな鐘の音
じやが薯を植ゑることばを置くごとく




矢島渚男

高野ムツオ
人間に戻りてプールより上る
人頭に鳥身みどりの夜を歩き
冬田の闇ざっと一億瓲ぐらい




高野ムツオ

正木ゆう子
かの鷹に風と名づけて飼ひ殺す
ライオンは寝てゐるわれは氷菓嘗む
双腕はさびしき岬百合を抱く





正木ゆう子

小澤實
遠足バスいつまでも子の出できたる
雪晴や猫舌にして大男
露の玉考へてをりふるへをり




小澤實

朝日新聞








長谷川櫂
はくれんの花に打ち身のありしあと
春の水とは濡れてゐるみづのこと
暗闇に水の湧きゐる椿かな





長谷川櫂

大串章
春の旅海から山へ入りけり
木守柿勝残りしや破れしや
水平線大きな露と思ひけり




大串章

高山れおな
駅前の蚯蚓鳴くこと市史にあり
枕頭に陽炎せまる黒田武士
あらはなる脳うつくしき水着かな




高山れおな

小林貴子
佐久人は平ら大事と稲を刈る
内心は修羅の巷や猫じやらし
化野や冬まくなぎは毬ほぐし




小林貴子

毎日新聞








西村和子
水音と虫の音と我が心音と
熱燗の夫にも捨てし夢あらむ
落葉松の芽吹きの昨日さらに明日





西村和子

小川軽舟
泥に降る雪うつくしや泥になる
虚子の忌の笛方の鳶高くあり
七夕のふたつの村のしづかなる




小川軽舟

井上康明
梁の自在の卍鳥雲に
六月や磐座に雨しぶきたる
桃咲いてをり深閑と雪降れり




井上康明

片山由美子
流されて花びらほどの浮き氷
雛飾る部屋に目覚めて闇深し
風鈴をしまふは淋し仕舞はぬも



片山由美子

産経新聞







宮坂静生
冬に入る牡丹の木にけものの毛
北国はいまも流刑地閑古鳥
外套の隠しざらざら狐見に




宮坂静生

対馬康子
ガラス切る音を短く冬銀河
キャンドルになりたき黒人少女のイヴ
チェロ弾きのめくる譜面の星月夜




対馬康子

日経新聞






横澤放川
永遠と時とのあはひ泉湧く
睡蓮の咲く刻天も息つめて
もくれんは仏指の如き実や零る



神野紗希
ここもまただれかの故郷氷水
寂しいと言い私を蔦にせよ
起立礼着席青葉風過ぎた


神野紗希

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