「旱(ひでり)」を歳時記で調べると、旱の他に日照草や大旱といった季語も紹介されています
聞きなれない季語であるため、初めのうちは戸惑ってしまうのではないでしょうか
ここでは、初めて目にする季語でもすぐ使えるように、旱に関連する季語とそれらの意味を紹介します
意味を理解して使えるようになると、俳句の幅も広がるはずです
ちなみに、「旱」とだけ言った場合、俳句では夏の季語になります。秋や冬にみられる旱は「秋旱」「冬旱」というように季節を冠して呼びます
(夏の季語の)旱
旱(ひでり)
雨が降らずからからに乾くこと
太平洋高気圧に覆われて、連日雨が降らずに日が照りつける
旱魃とも言いい、地面は渇ききって草木は枯れてしまう
農林災害はもちろん、人々の飲料水にも深刻な打撃を与える
旱魃(かんばつ)、干ばつ(かんばつ)
旱とほぼ同義であるが、干ばつは暖候期の農作物の干害をさすことが多い
昔は主として農業災害のみを意味していたが、近年は農業災害の方は灌漑(かんがい:水路を作って田畑に必要な水を引き、土地をうるおすこと)の発達のため少なくなりつつあり
旱害(かんがい)
日照り続きのため、農作物などが受ける被害。
旱空(かんぞら)、旱天(かんてん)
日照り続きで長い間雨が降らないこと
日照りの空
大旱(たいかん)、おおひでり
ひどいひでり
旱年(ひでりどし)、日照年(ひでりどし)
ひでりの年。雨の少ない年。旱魃(かんばつ)の年。
旱畑(ひでりばたけ)
日照りで干からびてしまった畑
旱草(ひでりぐさ)、日照草(ひでりぐさ)
日照りにより干からびた草
旱雲(ひでりぐも)、日照雲(ひでりぐも)
夏の旱(ひでり)の頃によく出る雲。特に、旱の先触れとしての朝の雲。
旱星(ひでりぼし)
さそり座の星の中央部に赤く光る一等星(アンタレス)を旱星とも言う。夏の南の空に見ることができる。名の由来はひでり続きの夜に見えることから。
この旱星は他にも色々な名称を持っています。興味のある人は「四季を語る季語 夏版」に掲載されています。
間違えやすい季語 -旱梅雨-
旱梅雨(ひでりづゆ)
梅雨に入っても晴天が続いて雨が少ないことを旱梅雨と言います。ですので、旱梅雨は梅雨時期の季語で、旱の時期の季語ではありません。
誤って、旱のころに生じる梅雨のような長雨、と理解している人がいるので、気を付けましょう。
(秋の季語の)旱
秋旱(あきひでり)
立秋を過ぎてからも長期間の晴天により、水が枯れてしまうこと。農作物などにも被害が及ぶため、農家にとっては深刻。通常秋は、秋雨前線や台風などの影響で雨が多いが、太平洋高気圧の勢力が強いと晴天が長く続く。
秋の旱魃(あきのかんばつ)
秋に長期間雨が降らず田畑が干上がること。
(冬の季語の)旱
冬旱(ふゆひでり)
旱といえば夏だが、冬の日本の太平洋側は、一年のうちで雨量が 最も少なくなり旱魃になりやすい
水不足のために生活に不便を 感じたり野菜の出来が悪くなったりする
寒旱(かんひでり)
寒中にひでりが続くこと
冬季晴天が続き、雨のないこと
旱の有名な俳句
旱の有名な俳句はいろいろありますが、個人的に好きなものは次の俳句です
百日の旱に耐ふる川の音 廣瀬町子
単純に良いです