季語を置く場所を工夫することで、俳句の雰囲気というのは大きく変わります
ここでは、季語を上五に置いた時と、下五に置いた時の違いを説明します
■ 季語を上五に置く
まず季語を上五に置いた時に、俳句に与える効果ですが
上五に季語をおくと、最初に読者に季語が提示されます
そのため読者は「この事物について読んでいるのだな」と頭の中で想像しながら読むことができます
読者に対して安心感を与えることができますし
季語が先に提示されることで、季語から連想される、時期であったり
周りの雰囲気、天候などを感じさせながら読ませることもできます
ただし季語を先に提示しているため、その後の内容が当たり前の内容では、読者はがっかりします
また、季語と残り十二音の内容とが離れすぎていると、読者の理解を得られないでしょう
季語そのものをしっかりとらえることが必要になります
■ 季語を下五に置く
季語を下五に置いた時に、俳句に与える効果です
下五に季語をおくと、読者は最初の十二音を何のことだろう思いながら読み進めます
そして読み進んだ最後に、季語が出てくるので、意外性とともに安定感が出ます
予想外の季語が出てくることで、読み手は大きな感動を得ます
ただし最初の十二音が明らかに季語を示している内容であり
想像通りの季語が下五で出てきてしまうと、読者はがっかりします
中には、最初の十二音の内容と、最後の五音(季語)との関係性を離すために
最初の十二音で頓智のなぞかけのようなことを言って
最後の答えとして、季語を出すような人がいますが
このような作り方はあまり良いとは言えません
俳句は詩であって、なぞなぞではないことを理解しましょう
季語の置く場所によって、効果は違いますので
一つ俳句を作ったら、季語の場所を交換して、雰囲気を確かめるのも良いと思います