俳句では雲雀(ひばり)と言えば春の季語です
ただ、雲雀(ひばり)に関連する季語は沢山あり、中には意味が分かりづらいものもあるため、ここでは、「雲雀」に関連する季語と意味をまとめています
俳句を作る際の参考になさってください
春の雲雀
雲雀(ひばり)
麦畑などに巣をつくり、春の空高く舞い上がって一日中のどかに囀る
スズメより少し大きい
囀りながら空に揚がる雲雀を揚雲雀
空から急降下する雲雀を落雲雀という
うつむきてゆきもどる日々雲雀鳴く 桂信子 | 桂信子の句集(Amazon) >> |
おもひでの雲雀来て鳴く髪の中 加藤郁乎 | 加藤郁乎の句集(Amazon) >> |
告天使(こうてんし)
ヒバリの別名
初雲雀(はつひばり)
その年に初めてみるヒバリ
わが背丈以上は空や初雲雀 中村草田男 | 中村草田男の句集(Amazon) >> |
揚雲雀(あげひばり)
囀りながら空高く舞い上がっているヒバリ
旋回しながら舞い上がっていく
昔は、飼いならしたヒバリを空に向けて放ち、高さとさえずりを競わせる遊びがあった
揚雲雀一遍上人妻子連れ たむらちせい | たむらちせいの句集(Amazon) >> |
舟を呼ぶこゑは流れて揚雲雀 井上井月 | 井上井月の句集(Amazon) >> |
落雲雀(おちひばり)
空に舞い上がったヒバリが、一転急降下するもの
朝雲雀(あさひばり)
朝方に飛び回る雲雀
夕雲雀(ゆうひばり)
夕ぐれに飛び回る雲雀
雲雀野(ひばりの)
雲雀の飛び回る野原
雲雀野や木棺にある覗き窓 杉本雷造 | - |
雲雀笛(ひばりぶえ)
雲雀の鳴き声を出す竹製の笛
子どもの玩具
もとは雲雀を呼び寄せ、捕まえるためのものだった
雲雀の巣(ひばりのす)
地表に巣をつくり、子育てする
日本各地でみられる
ヒバリは巣から離れたところで舞い上がったり降りたりするが、これは巣の位置を人や動物に悟られないようにするためとも
夏の雲雀
夏雲雀(なつひばり)
夏羽に変わる頃の雲雀を言う
飛び方も速やかではない
畦を来る一本足や夏雲雀 高野ムツオ | 高野ムツオの句集(Amazon) >> |
練雲雀(ねりひばり)
陰暦六月のころ、羽毛の抜けかわったひばり
「ねり」とは毛を換えること
岩雲雀(いわひばり)
スズメ目イワヒバリ科の鳥
背面はくすんだ灰黒色
本州の高山の岩場にすみ、美声でさえずる
冬の雲雀
冬雲雀(ふゆひばり)、寒雲雀(かんひばり)
冬の暖かい日に見られるヒバリ
春先のように天上高く揚がることはなく、低く飛び回りながら鳴く
青年の頬杖に棲む冬雲雀 守谷茂泰 | - |
「雲雀」の文字が入った季語
草雲雀(くさひばり)、金雲雀(きんひばり)
コオロギ科の昆虫。体は茶褐色で、長い触角をもっていて、草の間にフィリリリリと澄んだ音色で鳴く
秋の季語
告げるごと落人村の草ひばり 風間綾子 | - |
読書するまに少年老いて草雲雀 寺山修司 | 寺山修司の句集(Amazon) >> |
田雲雀(たひばり)
セキレイ科の鳥で、羽色は褐色で、全長16センチくらい。歩くとき尾を上下に振る
秋の季語
畦雲雀(あぜひばり)、溝雲雀(みぞひばり)、土雲雀(つちひばり)、川雲雀(かわひばり)、犬雲雀(いぬひばり)
田雲雀の別名
秋の季語
雲雀の有名な俳句
雲雀の有名な俳句はいろいろありますが、個人的に好きな雲雀の俳句です
雲雀より空にやすらふ峠かな 芭蕉 | 芭蕉の句集(Amazon) >> |