俳句はいかに省略できるか、と言われます
省略すれば音数を節約できるし、表現もすっきりします
表現がすっきりすれば、読者の印象にも強く残ります
なので、初心者でも簡単にできる省略の場所をあげてみます
①
「ごとき」「ような」を消す
雪のような肌 → 雪の肌
滝のごとき桜 → 滝の桜
「ごとき」「ような」は消しても意味が通じるので、消す
②
「なにが」「どうして」「どうなった」の「どうして」は消す
桜が風に吹かれて揺れた → 桜が揺れた
氷が日に当たって溶けた → 氷が溶けた
「どうして」を入れると説明的になるので、入れない
たいてい消しても意味は通じる
③
「なにが」「なにを」「どうした」の「なにを」は消す
雀が藁を咥えた → 雀が咥えた
木枯らしが木の葉を吹き飛ばす → 木枯らしが吹き飛ばす
この場合、「なにを」を入れたくなる
入れないと読者が分からなくなる、と不安に思うからだ
ただ、入れないことで
何を咥えたんだ?何を吹き飛ばしたんだ?
という、読者の想像の広がる余地が生まれる
④
文末の動詞を消す
草が揺れる。桜も揺れる。 → 草が揺れる。桜も
道を曲がると桜があった → 道を曲がると桜が
文末に動詞がある場合、動詞を消す
なくても、その先を想像できることは多い
⑤
体言止めにする(名詞で終わる)
鶯が飛びました → 鶯が飛び
雲が流れます → 雲が流れ
雀が鳴いた → 雀が鳴き
通常文末は、「です・ます・だ」など何かしらの語尾がつくが、それを消す
消して、名詞にして終わらせるとすっきりする
動詞を名詞化するには、連用形で終わらせればいい
⑥
形容詞(作者の感想)は消す
桜が散って寂しい → 桜が散った
湖面がキラキラして美しい → 湖面がキラキラしている
「美しい」「悲しい」「うれしい」などの形容詞(作者の感想)は、必要ない
「美しい」「悲しい」などは読者に感じさせるもの
⑦
当たり前のことは言わない
白い雪 → 雪
赤いリンゴ → リンゴ
鈴が鳴る → 鈴
赤文字の部分は、言われなくても誰でも分かること
そのような当たり前の言葉は消す
省略をすることで、句がすっきりしますし、音数も省略できます
何を省略すればいいのか分からない人は、参考にしてください