「身欠鰊(みかきいにしん)」という初夏の季語があります
鰊の頭と尾と切り去り、二枚におろして干したものです
この「身欠鰊」の関連季語に「厄身欠(やくみがき)」を掲載している歳時記があり 1)
言葉が気になったので調べました
意味は
「カビないように、土用のころに身欠きにしんを日に当ていること。」 2.3)
のようでした
厄(やく)には、災い、災難などの意味があるため、厄払いや神事などで使われるものかな?と思ったのですが、
特別な意味は見つかりませんでした
調べる中で「身欠」は北海道特有の言葉というのも分かりました 4)
北海道の俳人は歳時記に載らない地域の風物を、どのように表現すればよいのか?を悩んだようで
「河童陸獣誌」には、北海道の風物を季語にしたいという思いで、さまざまな風物が掲載されていました
こういった本を見ると、先人たちが苦労をして残してくれた季語があるから
いま私たちはそれを使って俳句を作ることができるのですし
いままで知らなかった地方の風物を知ることができるのだな、と改めて感謝の思いが沸きました
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1)
角川書店.(2022).新版 角川俳句大歳時記.KADOKAWA.
2)
俳書堂.俳句季寄せ.新撰袖珍.(昭和9).俳書堂.
3)
復本, 一. (2004). 季節のことば辞典: 四季別・50音順. 日本: 柏書房.
4)
田中涼々子.河童陸獣誌.(昭11).書物展望社.