季語の葦鶯(あしうぐいす)ってなに?

 

葭切(ヨシキリ)という夏の季語があります

「俳句季語よみかた辞典」では、ヨシキリの別称として、葦鶯(あしうぐいす)を掲載しているのですが 1

葦鶯(あしうぐいす)というのは何なのでしょうか?

ヨシキリの別称として葦雀(あしすずめ)は聞いたことがあるのですが、葦鶯(あしうぐいす)は聞いたことがなかったので、気になって調べました

 

「愛生」には、大きさも羽色も雀に似ているため、葦雀、行々子、葦鶯などの異名があると書かれています。この説明では、雀に似ているから葦雀というのは分かりますが、葦鶯の意味は分かりません 2

 

 

結局、ヨシキリの別称として葦鶯(あしうぐいす)を掲載している本は見当たるのですが、その理由が書かれた本は見つかりませんでした

ただ、次のことは分かりました

 

葭切(よしきり)というのはヨシキリ科(旧ヒタキ科)の鳥の総称で、日本にはオオヨシキリ、コヨシキリの2種が夏鳥として渡来する 3

そして、この「オオヨシキリ」が中国名で大葦鶯(オオアシウグイス)と書くようです

 

オオヨシキリを大葦鶯と書くため、ヨシキリを葦鶯と書くのかもしれません

ただ、ヨシキリはヒタキ科の鳥の総称で固有名詞ではないので、実際に中国でヨシキリを葦鶯と書くのかは分かりませんでした

 

 

整理すると次のようになります

葭切(ヨシキリ) ヒタキ科の鳥の総称

大葭切(オオヨシキリ) 大きいヨシキリ

大葦鶯(オオアシウグイス) オオヨシキリの中国名

葦鶯(アシウグイス) ヨシキリの中国名、かもしれない

 

 

「葦鶯」を季語として使う場合は、一度確認をしてから使ったほうが良いかもしれません

 


 

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1)       
日外アソシエーツ.(2015).俳句季語よみかた辞典.日外アソシエーツ.

2)       
愛生 43(8)(562).(1989).国立療養所長島愛生園.

3)       
百科事典マイペディア.平凡社.インターネット版 https://kotobank.jp/dictionary/mypedia/(参照:2024.03.05

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