「時鳥」と子季語の意味

季語と子季語のそれぞれの意味

俳句を詠むためには季語の理解が欠かせませんが、歳時記には主に主季語しか説明されていません。そのため、子季語の意味を知らずに使ってしまうことも。このページでは、子季語もしっかり説明し、初心者の方が自信を持って俳句を詠めるようサポートしています。

「時鳥」の季語

下の表では、一番上の「時鳥」が主季語、その下に並んでいるものが子季語になります。
子季語は、主季語の関連語、という考えで大丈夫です。


《 夏 》

時鳥【ほととぎす】南方から渡ってきて日本に夏を告げる鳥。雪月花に並ぶ夏の美目でもある。夜、密かに鳴ことを忍び音という。
子規(ほととぎす)時鳥(ほととぎす)の別称。別に「しき」とも呼ぶ。
不如帰(ほととぎす)時鳥(ほととぎす)の別称。別に「ふじょき」とも呼ぶ。
杜魂(ほととぎす)時鳥(ほととぎす)の別称。別に「とけん」とも呼ぶ。
沓手鳥(ほととぎす)時鳥(ほととぎす)の別称。別に「くつてどり」とも呼ぶ。
蜀魂(ほととぎす)時鳥(ほととぎす)の別称。別に「しょっこん」とも呼ぶ。
沓直鳥(ほととぎす)時鳥(ほととぎす)の別称。別に「くつてどり」とも呼ぶ。
杜宇(ほととぎす)時鳥(ほととぎす)の別称。別に「とう」とも呼ぶ。
霍公鳥(ほととぎす)時鳥(ほととぎす)の別称。
田鵑(ほととぎす)時鳥(ほととぎす)の別称。
卯月鳥(うづきどり)時鳥(ほととぎす)の別称。
田長鳥(たおさどり)時鳥(ほととぎす)の別称。
橘鳥(たちばなどり)時鳥(ほととぎす)の別称。
賤鳥(しずどり)時鳥(ほととぎす)の別称。
妹背鳥(いもせどり)ホトトギスの女房詞。
初時鳥(はつほととぎす)その年はじめて声をきくホトトギス。
山時鳥(やまほととぎす)山にいる時鳥。「山」をつけるのは、山口素堂の「目に青葉山ほととぎす初鰹」からか。
名乗る時鳥(なのるほととぎす)時鳥がその名を鳴くことから。
待つ時鳥(まつほととぎす)豊臣秀吉の「鳴かぬなら鳴くまで待とう時鳥」からか。




時鳥について

時鳥(ほととぎす)は、同じ「ほととぎす」と読むにもかかわらず、子規、不如帰、杜鵑、霍公鳥、蜀魂など、様々な漢字で表されます。

これらの漢字は、それぞれ「しき」「ふじょき」「とけん」「かくこうちょう」「しょっこん」と読むこともあります。

俳句鑑賞の際、「ほととぎす」と読んで字数が合わない場合は、作者がこれらの別の読み方を意図している可能性があります。


「時鳥」関連の俳句

「時鳥」を使った俳句にはこのようなものがあります。俳句作りの参考になさってください。

「時鳥」の例句

時鳥女はものの文秘めて 長谷川かな女長谷川かな女の句集(Amazon) >>
寄せて来る女波男波や時鳥 井上井月井上井月の句集(Amazon) >>
弥陀ヶ原浄土をかけて時鳥 瀧山栖素 - 
時々は時鳥聞く杣の宿 仁多風山 - 


「不如帰」の例句

不如帰僕に玩具は要らないよ 小山やす子小山やす子の句集(Amazon) >>
不如帰幹に架けあるおぶひ紐 照井翠照井翠の句集(Amazon) >>
骨壺を作り忘れし不如帰 佐藤日和太佐藤日和太の句集(Amazon) >>


「蜀魂」の例句

思へば遠し十九の闇の蜀魂(ほととぎす) 山川蟬夫 - 




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