「サフラン」と子季語の意味

季語と子季語のそれぞれの意味

季語の中には、歳時記には掲載されているものの、意味が不明確な子季語も多く存在します。この記事では、より良い季語が選べるように、今回はよく使われる主季語と子季語のそれぞれの意味を解説しています。

「サフラン」の季語

下の表では、一番上の「サフラン」が主季語、その下に並んでいるものが子季語になります。
子季語は、主季語の関連語、という考えで大丈夫です。

サフラン
【さふらん】       
アヤメ科の多年草。クロッカスの秋咲き種。葉は線形で、花後に伸びる。11月ごろ紫色の6弁花が咲く。赤い花柱は止血剤などに、また香辛料、化粧品の着色剤として使われる
泪夫藍
(さふらん)
洎夫藍は中国語の音訳。
犬泪夫藍
(いぬさふらん)
サフランの別称。香辛料にならないことから、役に立たないの意味で「犬」がついている
秋咲サフラン
(あきざきさふらん)
秋に花を咲かせるサフラン。

季語の選び方、使い方のポイント

サフランと泪夫藍(さふらん)

「サフラン」のように、季語にはカタカナと漢字の両方の表記があるものが多く見られます。特に、中国から渡来した植物は、漢字名も持っている場合が一般的です。

どちらの表記を選ぶかは、作者の意図によって異なります。しかし、「泪夫藍」のように、読みにくい漢字を使うと、読者の理解を妨げる可能性があります。

一方で、常にカタカナ表記にすると、俳句の古典的な雰囲気や、漢字が持つ奥深い意味合いが失われてしまうかもしれません。

そのため、作品の世界観や、表現したいニュアンスに合わせて、適切な表記を選ぶことが大切です。句全体のバランスや、読者にどのような印象を与えたいかなどを考慮しながら、最適な表記を選びましょう。

秋咲サフランについて

サフランは秋に咲く花であるため、厳密には『秋咲き』とわざわざ付ける必要はありません。しかし、歳時記に『秋咲き』と記載されていたため、本ブログにも同様の表記を用いました。

花の中には、春と秋に咲くものもあり、このような場合には『春咲き』『秋咲き』と明記することで、より正確な季節感を表現することができます。

関連する俳句

サフランや映画はきのう人を殺め 宇多喜代子
花サフラン舌の真赤は太古より 清水伶

サフランを使った俳句にはこのようなものがあります。俳句作りの参考になさってください。

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季語を選ぶ際には、様々な要素を考慮する必要がありますが、従来の歳時記には子季語の意味が詳しく記載されていないため、適切な季語を選ぶのが難しいという課題がありました。

『四季を語る季語』は、全ての子季語の意味を網羅することで、この課題を解決し、よりスムーズな季語選択を可能にします。

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