「作った俳句。どこを直せばよいのか分からない…」
そう思っているあなたへ。実は、たった一つの言葉をちょっと変えるだけで、俳句がガラリと変わるんです。今回は、俳句初心者さんでも気軽に楽しめる技法、「反対語」を使った俳句の直し方をご紹介!
俳句の世界を広げる魔法の言葉「反対語」
俳句は、たった17音の中に、季節、情景、作者の心の動きを凝縮させた短い詩です。でも、いざ作ってみようと思っても、しっくりこない…。直そうと思ってのどこを直せばよいのかわからない…。なんて経験はありませんか?
そんな時に役立つのが「反対語」です。反対語とは、「嬉しい」と「悲しい」のように、意味が正反対の言葉のこと。この反対語を俳句の言葉に置き換えてみると、全く違う世界が広がります。
例えば、「寂しい秋風」という情景を「楽しい秋風」に変えてみると、全く違った情景が浮かび上がってきますよね。
反対語で生まれる、新しい俳句の世界
では、具体的な例を見てみましょう。
元の句
- 空蝉の 中にかすかな 闇のぞく
反対語を使った句
- 空蝉の 中にかすかな 光かな
たった一つの言葉を「闇」から「光」に変えただけで、不穏な感じから、明るい気配を感じさせる情景に変わりました。
別の例
- 夕暮れに 散り急ぎたる 桜かな
反対語を使った句
- 夕暮れに 散りなずみたる 桜かな
こちらも、「急ぐ」を「なずむ」に変えることで、全く違う情景が生まれました。
なぜ反対語で俳句が変わるの?
反対語を使うと、俳句が変わるのはなぜでしょうか?
それは、真逆の意味の言葉に入れ替えることで、視点も真逆になるため、俳句の雰囲気も変わるのです。
ただ、そうなると自分の言いたかったこととは違う俳句になってしまうのではないの?と思う人もいると思います。
確かに、そのような一面もあるのですが、反対語は裏表の関係でもあるため、反対の言葉を使うことでも、最初に使っていた言葉の持つ意味を、暗に際立たせるという効果もあるのです。
例えば、「フラれて悲しい顔になった」と普通ならば使いますよね。ここで、反対語をつかって「フラれて笑顔を作った」といっても、悲しさをこらえている様子を感じさせることはできるのです。
反対語をつかうメリット
一般的に俳句を作ろうとすると、私たちはつい「普通の言葉」「ありきたりの表現」に頼りがちです。
それは仕方のないことです。
ただ、その俳句を手直しする際に反対語を使うと、その固定観念を打ち破ることができます。
「普通の言葉」が「変わった言葉」になり、「ありきたりの表現」が「ありきたりではない表現」になることがあります。
これによって、普通の俳句が、新鮮で独創的な俳句に生まれ変わる可能性が広がるのです。
反対語は、あなたの俳句に新しい視点を与えてくれる、創造性の源と言えるでしょう。
いろいろな反対語を紹介
様々な種類の反対語をいくつかご紹介します
日常よく使う反対語 | 抽象的な概念の反対語 | 感情を表す反対語 | 状態を表す反対語 |
大きい – 小さい 高い – 低い 多い – 少ない 早い – 遅い 新しい – 古い 上 – 下 前 – 後 右 – 左 明るい – 暗い | 幸福 – 不幸 自由 – 束縛 平和 – 戦争 希望 – 絶望 愛 – 憎しみ 肯定 – 否定 肯定的 – 否定的 可能 – 不可能 真実 – 嘘 | 喜び – 悲しみ 怒り – 平静 恐れ – 安心 驚き – 平常心 興奮 – 冷静 愛 – 憎しみ 尊敬 – 軽蔑 肯定 – 否定 希望 – 絶望 | 静か – 騒がしい 活発 – 不活発 秩序 – 無秩序 清潔 – 汚い 整頓 – 乱雑 開放的 – 閉鎖的 公平 – 不公平 正義 – 不正義 自由 – 束縛 |
特定の言葉の反対語、より詳しい反対語を知りたい場合は、以下の方法がおすすめです。
・インターネットの検索エンジンで「反対語」と検索する
・辞書や類語辞典を引く
俳句を作る時のヒント
反対語を使って俳句を直すときは、以下の点に注意してみましょう。
- 季語はそのままに:反対語に変えても、季語は残すようにしましょう。そうすることで、季節感が生まれ、より豊かな俳句になります。
- 五七五のリズムを守る:反対語に変えた時に、五七五のリズムが崩れないように注意しましょう。
- 情景が浮かぶ言葉を選ぶ:反対語を選ぶ際は、情景が浮かぶような言葉を選びましょう。
- より良い表現になっているか確認:反対語を使って、もとより悪い俳句になってしまっては仕方がありません。もとの俳句より良くなっているか確認はしましょう。
まとめ
今回は、俳句初心者さん向けに、反対語を使った俳句の直し方をご紹介しました。反対語は、俳句の表現を広げるための、とても便利なツールです。ぜひ、色々な言葉の反対語を試して、あなただけのオリジナルの俳句を作ってみてください。
俳句は、一つの言葉が変わるだけで劇的に雰囲気が変わります。この変化も楽しむことも俳句の楽しみの一つです。難しく考えずに、気軽に言葉の交換を楽しんでみましょう!