俳句を詠むためには季語の理解が欠かせませんが、歳時記には主に主季語しか説明されていません。そのため、子季語の意味を知らずに使ってしまうことも。このページでは、子季語もしっかり説明し、初心者の方が自信を持って俳句を詠めるようサポートしています。
「新酒」の季語
下の表では、一番上の「新酒」が主季語、その下に並んでいるものが子季語になります。
子季語は、主季語の関連語、という考えで大丈夫です。
《 晩秋 》
新酒【しんしゅ】 | その年の新穀でつくった清酒。 |
今年酒(ことしざけ) | 今年の秋とれた米で醸造した酒。 |
早稲酒(わせざけ) | ことし新しくつくった酒。 |
新走(あらばしり) | ことし新しくつくった酒。 |
利酒(ききざけ) | 酒を少量味わって、そのよしあしを鑑定すること。また、そのために用いる酒。 |
聞酒(ききざけ) | 利酒とおなじ。 |
季語検索
利酒と聞酒について
「利き酒」と「聞酒」はどちらも「きき酒」と表記されますが、一般的に「利き酒」が使用されています。
「聞酒」を使った俳句はあまり見たことがありません。
「利き酒」は、「目、鼻、口」の順番でお酒の品質を評価すること。アルコール分や酸度、エキス分などの成分量に加え、色や香り、味わいなどを総合的に判断して、お酒の良し悪しを判定します。
「利き酒」は本来、酒蔵がおこなうお酒の品質品評会であったため、新酒の子季語に採用されています。
現在は利き酒の能力を競う競技会のイメージが一般的になっています。
「新酒」関連の俳句
「新酒」を使った俳句にはこのようなものがあります。俳句作りの参考になさってください。
「新酒」の例句
力山を抜き葡萄新酒の栓抜けず 原子公平 | 原子公平の句集(Amazon) >> |
告白は新酒の力借りてせり 遠藤古都女 | - |
新酒酌む泉下のひとと語るべく 近藤栄治 | - |
新酒酌む透明にひろがる原野 髙尾日出夫 | - |
「今年酒」の例句
今年酒小匙一杯半ほどの酔ひ 安田雪松 | 安田雪松の句集(Amazon) >> |
酔へば泣く男のみやげ今年酒 水下寿代 | 水下寿代の句集(Amazon) >> |
「新走」の例句
羅漢午次郎偲ぶ上総の新走り 吉田笑 | - |
越後より嘘つきにくる新走 藤田守啓 | 藤田守啓の句集(Amazon) >> |
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