俳句を詠む際、季語の選び方に迷ったことはありませんか?歳時記には主季語は詳しく書かれていても、子季語の意味が曖昧で困ることも。このページでは、子季語の意味もしっかり解説しているので、初心者の方でも安心して俳句作りに挑戦できます。
「清水」の季語
下の表では、一番上の「清水」が主季語、その下に並んでいるものが子季語になります。
子季語は、主季語の関連語、という考えで大丈夫です。
《 夏 》
清水【しみず】 | 地面や岩の間などからわき出るきれいに澄んだ水。 |
真清水(ましみず) | 清水の美称。澄んだ湧き水。 |
山清水(やましみず) | 山にわき出る清水。 |
岩清水(いわしみず) | 岩の間からわき出るきれいな水。 |
苔清水(こけしみず) | こけにおおわれた岩の間を流れるきれいな水。 |
草清水(くさしみず) | 草の中にある清水。 |
清水
「清水」を基語とする季語には、「真清水」「山清水」「岩清水」「苔清水」「草清水」など、清らかな水を連想させる美しい言葉が数多く存在します。
これらの季語は、情景描写において重要な役割を果たします。例えば、「山清水」は山から湧き出る澄んだ水を、「苔清水」は苔むした岩の間を流れる静かな水を、それぞれ連想させます。
俳句では、言葉の音の響きが作品の印象を大きく左右します。特に、言葉の最初の母音は、読者の心に強く残るものです。上記の季語を初音で分類すると、
- ア音: 真清水、山清水
- イ音: 清水、岩清水
- ウ音: 草清水
- オ音: 苔清水
となります。
そして、俳句では初音を揃えることで、作品に統一感が生まれ、より印象的な作品に仕上がることがあります。
例えば、句の冒頭を「ア」音で揃えることで、力強い印象を与えることができます。一方、「オ」音で揃えることで、より柔らかく穏やかな印象を与えることができます。
季語を選ぶ際には、表現したい情景だけでなく、言葉の音の響きにも注意を払い、作品全体のバランスを考えましょう。
「清水」関連の俳句
「清水」を使った俳句にはこのようなものがあります。俳句作りの参考になさってください。
「清水」の例句
いづくより湧ける清水や黄楊の奥 高橋閑吐 | - |
岩が根に湧く音かろき清水かな 井上井月 | 井上井月の句集(Amazon) >> |
底の石ほと動き湧く清水かな 高浜虚子 | 高浜虚子の句集(Amazon) >> |
「真清水」の例句
いつも身近に眞清水涌くを感じをり 眞鍋呉夫 | 眞鍋呉夫の句集(Amazon) >> |
霊山の真清水はぐくむ鱒幾万 青木牧風 | - |
「山清水」の例句
巡札に一服せよと山清水 鷹羽狩行 | 鷹羽狩行の句集(Amazon) >> |
山清水たつぷりと汲み花供ふ 竪岩百合子 | - |
山清水双掌に森の香なりけり 萩原記代 | 萩原記代の句集(Amazon) >> |
「岩清水」の例句
一滴の源流となる岩清水 根岸敏三 | 根岸敏三の句集(Amazon) >> |
岩清水屯せし神祀りけり 高野力一 | - |
郭公の声してゐたる岩清水 伊藤敬子 | 伊藤敬子の句集(Amazon) >> |
岩に祈り清水も汲んで世を生きる 太田好子 | - |
「苔清水」の例句
神さぶや木の根に溢る苔清水 松澤晴美 | - |
苔清水去り忘れものせし心地 小口理市 | 小口理市の句集(Amazon) >> |
「草清水」の例句
草もつれあふこともなく草清水 鷹羽狩行 | 鷹羽狩行の句集(Amazon) >> |
映るもの崩して汲めり草清水 迫谷富子 | - |
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